菅内閣支持率危険水域…迫る「退陣」Xデーと“隠し玉”維新大連立

菅内閣、支持率危険水域で総裁選前に退陣も? 日本維新の会との大連立も画策か

記事まとめ

  • 大手メディアの世論調査で、菅内閣の支持率は相次いで30%を割り、不支持率は50%超え
  • 安倍晋三前首相は「もう菅ちゃんは解散できないね」と親しい党重鎮議員に述べたそう
  • 内閣改造も視野に入れているが、日本維新の会との大連立も画策されているとか

菅内閣支持率危険水域…迫る「退陣」Xデーと“隠し玉”維新大連立

菅内閣支持率危険水域…迫る「退陣」Xデーと“隠し玉”維新大連立

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自民党本部 (C)週刊実話Web

「もう菅ちゃんは解散できないね」。東京五輪での日本のメダルラッシュで列島中が沸く中、自民党の安倍晋三前首相は親しい党重鎮議員にこう述べた。



東京五輪は日本選手団が史上最多の金メダル27個を獲得し、8月8日に閉幕した。しかし、インド由来のデルタ株が猛威を振るうコロナの感染爆発は全く抑えられず、新規感染者数は連日、全国で2万人を超える有り様だ。大手メディアによる世論調査で、内閣支持率は相次いで30%を割り、不支持率は50%を超えた。


10月21日に衆院が任期満了となる中、9月末に自民党総裁任期を迎える菅義偉首相の基本戦略は、総裁選を先送りしての9月中の衆院解散だった。コロナを抑制し五輪も盛り上がれば、余勢を駆って解散を断行。衆院選で勝てなくても負けを最小限に抑えれば、その後の総裁選も無投票で再選できる。首相の「楽観シナリオ」(首相周辺)だ。


しかし、想定をはるかに上回るコロナ感染により、首相のシナリオはほぼ破綻に追い込まれた。東京などに発令中の緊急事態宣言は8月20日、13都府県への拡大と9月12日までの延長が決まり、感染が収まる見通しは立たない。そうした中で解散に踏み切れば、国民の猛烈な批判を浴びるのは明白だからだ。


安倍氏の発言は、こうした展開を見越してのもの。解散できなければ、まず総裁選となるが、首相が勝ち抜けられる保証はない。それどころか、政権の行き詰まりで総裁選を前に退陣を余儀なくされる可能性さえある。いまや首相辞任のXデーと、ポスト菅の一大政局が訪れる緊迫した状況となっているのだ。


永田町が固唾を飲んで見つめるのは、首相の後ろ盾である二階俊博幹事長の動きだ。二階氏は8月3日、党本部での記者会見で「菅総裁は頑張っている。代える意義はないし、続投してほしいという声が国民にも党内にも強い。再選される可能性が極めて高いのではないか」と述べ、改めて首相の続投を支持した。


とはいえ、この発言にはさまざまな思惑が込められている。首相支持により幹事長続投を狙っているのは当然として、「不測の事態」が起きても政局の主導権を握ろうと「他勢力による『菅おろし』の動きを強くけん制している」(自民党関係者)のだ。二階氏は平静を装いながらも、風雲急を告げる局面に備え、さまざまな策を巡らせているわけだ。


「党は8月20日以降に、数日間にわたって衆院選の全国情勢調査を行う。これで自民党がどれくらいの議席を獲得できそうなのかが分かる。二階さんはこの結果を見て、首相と今後の方針を決めようと考えている」(同)


総裁選は9月29日投開票で決定!

自民党は衆院で、定数465議席の6割近い276議席を得ている。だが、菅首相のままで衆院選を行えば、調査で40議席以上減らすとの結果が出てもおかしくない。週刊誌などでは「46減」「57減」「63減」と、数字に違いはあるものの、軒並み単独過半数(233議席)を割り込むとの予想が報じられている。


「8月26日、自民党は臨時総務会を開き、菅義偉首相の総裁任期満了に伴う総裁選を『9月17日告示、29日投開票』で実施することを了承しました。国会議員と都道府県連の投票による簡略型だった昨年9月とは異なり、今回は党員投票の伴うフルスペック≠フ選挙となります」(政治記者)


当の菅首相はどう思いをはせているのか。自民党二階派のベテラン議員は「首相は最近も二階氏に『ご指導をお願いします』と伝えており、政権維持への意欲は失っていない。二階氏の基本線も首相支持だ。ただこの状況で、大きく戦略転換するしかない」と話す。


二階氏は衆院選の勝敗ラインを「与党で過半数」に据える。つまり、情勢調査で自民党が単独過半数を割り込んでも、与党で過半数をある程度上回っていれば「コロナという非常事態に首相は代えられない」として、支持を改めて表明するのではないかという。


首相は9月の衆院解散と10月の総選挙を見送った上で、「党内の要請に応えたい」として、総裁選への出馬を正式に表明。総裁選で再選を果たす――という算段だ。出馬さえすれば、安倍氏や麻生太郎副総理兼財務相の支持も見込める。非常時を盾に、無投票再選や党員不参加を目論む動きもある。


一方で10月に入れば、全国民のコロナワクチンの2回目接種率は60%を超え、感染も下火になっている可能性が高い。内閣支持率は、多少は持ち直しているとみられ、この流れで21日の衆院任期満了の直前に解散する段取りを描く。公示は11月2日か9日、投開票は14日か21日とする日程が浮上しているという。


首相は8月17日、緊急事態宣言の延長と拡大を決めた後の記者会見で「国民の命と安全を守り抜く覚悟のもと、対策をやり抜く決意に変わりはない」と述べ、今後もコロナ対策の陣頭指揮を執る考えを強調した。


首相に近い政府関係者は「首相は自分がやらねばという使命感に突き動かされている。多くの批判を浴びたが、結果として東京五輪が成功したように、愚直にするべきことを進めていけば、結果は付いてくると信じている」と明かす。


内閣改造もチラつかせ…

もちろん、首相の信念だけで政権は維持できない。政府関係者によると、首相は求心力を保つための方策を検討しており、二階氏らと詰めの調整に入っているという。


1つは30兆円規模のコロナ対策だ。緊急事態宣言でダメージを受けた経済を底上げするために、自民党が強く求めているもので、事実上の選挙対策であるのは論をまたない。首相は総裁選に合わせて大規模経済対策を打ち出す方針を表明。2021年度補正予算案として、財務省に取りまとめを指示する方向で調整を進める。


もう1つは、新型コロナウイルスの法的位置付けの緩和だ。感染症法には、感染力や致死率に応じて1〜5類といった類型があり、1類が最も厳しい措置が必要となる。新型コロナは、結核などの2類かそれ以上の措置が取られているが、季節性インフルエンザと同等の5類に移れば入院や隔離は不要となり、医療体制のひっ迫は解消される。


実際、ワクチンと治療薬の普及が進み、第5波の真っ只中でも、東京をはじめ全国の感染者に対する死亡率は、第3、第4波の時に比べて激減している。首相は当初、7月中に緩和の検討を表明する考えだったが、デルタ株の感染急拡大を受けて見送った。


これを緊急事態宣言解除後の10月にも正式に打ち出せば、コロナを巡る空気が一変する可能性はある。先の政府関係者は「米国や英国も方向性は同じだ。日本も『ウィズ・コロナ』の時代に入っていく」と強調する。


内閣改造も視野に入れているという。自民党内には、初入閣待望組や再入閣を期待するベテラン議員は少なくなく、衆院選を目前にして、こうした議員を首相支持に向かわせる効果は大きい。大規模改造をチラつかせれば、効果はてきめんだろう。


さらに驚くべき情報もある。衆院選での議席増を見込む日本維新の会との大連立が画策されているというのだ。首相と関係の深い維新代表の松井一郎大阪市長との間では、次期政権の課題として「2025年の大阪万博の成功」を確認している。


先の二階派ベテラン議員も明言する。


「自民党が議席を減らす可能性が高い以上、政権安定のために維新を連立に加えることはある。これができるのは菅首相と二階氏しかいない。大連立樹立で政権維持を図るということ」


だが、情勢調査の結果が想定以上に極めて悪かった場合、それでも菅首相と二階氏は続投を目論むことができるのか。


自民党の選対関係者は「与党で過半数割れだと自民党は200議席前後に激減する計算になる。そこまでいかなくても、50〜60議席減らすとなれば、党内はいくら二階さんが挙党態勢を呼び掛けても『菅首相では戦えない』となるのではないか」と見る。それは、党内で総裁選に向けた動きが本格化することを意味する。


前回敗北の岸田氏がリベンジを表明!

「二階さんら執行部は、首相の心が折れて辞意を漏らさないかと気をもんでいる。そういう意味で、首相と二階さんとの会談が本当にXデーとなりかねない」(同)


首相は3月28日以来、1日も休みを取らず、145日連続(8月20日現在)で職務に当たっている。相当な疲れが溜まり、心身ともに限界に近い状態にあるだろうことは容易に想像できる。安倍前首相もコロナ禍の中で疲労を蓄積させ、潰瘍性大腸炎という持病の悪化で辞任に追い込まれたのは、ほんの1年前。


この状況を虎視眈々と見つめているのが、まさにその安倍氏である。安倍氏は菅首相が政権を引き継いだ経緯から、首相を支える構えは変えていない。だが、自民党の大敗が不可避な情勢になったり、首相が辞意を表明したりした場合は別だ。盟友の麻生氏や甘利明自民党税調会長との「3A」で、次期政権での主導権を握るべく、意中の岸田文雄前政調会長を推し立てる構えだ。


「その岸田氏は、8月26日、都内で開いた会合で正式に出馬することを表明しました。『他の派閥で支援してくれる人もいる』と、前回とは違う手応えを感じているようです」(前出の政治記者)


安倍氏に近く、同じ細田派出身の高市早苗前総務相が8月10日発売の『文藝春秋』で総裁選出馬への意欲を表明。安倍氏も容認しているようだが、この動きについて、自民党内では「岸田氏の背中を押すためで、高市氏は当て馬」(細田派中堅議員)と見る向きがもっぱら。


「女性の高市氏の出馬で総裁選の注目度は上がり、政策論争も盛り上がる。細田、麻生、岸田の3派に加えて、竹下派の茂木敏充外相に近いグループも岸田氏を支持するだろう」


先の細田派中堅議員はそう展望を語る。


マスコミの獲得議席予測では、立憲民主党など野党は勢力を伸ばすとはいえ、立民でも40増の150議席程度にすぎない。首相には9月いっぱいコロナ収束に努めてもらい、総裁選で空気を一新すれば、衆院選は勝てるというのが3Aの「読み」のようだ。


8月22日投開票の横浜市長選で菅首相が全面支援した自民系候補は野党系新人候補に大敗した。横浜市は首相の選挙区でお膝元。


「現役首相の地盤で支援候補が負けるのは前代未聞です。いかに菅政権に大逆風が吹いているか証明した」(横浜市在住のライター)


翌23日早朝。東京・東武練馬駅(板橋区)前には下村博文・自民党政調会長の姿があった。下村氏も総裁選出馬に意欲を見せている1人だが、選挙期間中でもないのに大物議員が街頭に立つのは異例中の異例だ。


菅おろしは始まった。



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