人手不足で加熱! 驚き「無人店舗」の普及〜企業経済深層レポート

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企業経済深層レポート (C)週刊実話Web

新型コロナウイルス感染拡大の防止には、人との接触を回避することが重要であり、今や消費行動においても「非接触」が重要なキーワードになっている。



そして、「ウィズコロナ」を見据えて、全国的に無人店舗が増えつつある。


無人店舗は、今後、さらに勢いを増していくとみられるが、そもそもどういう仕組みで成り立っているのか。小売業界の関係者が解説する。


「無人店舗はその名の通り、店内に販売スタッフがいないため、顧客がセルフレジで商品を一つずつスキャンする必要がある。しかし、最新のICT(情報通信技術)を導入した店では、顧客が購入する商品をカメラやセンサーがキャッチし、レジに行くと商品名が一括でパネル表示される。間違いなければ、即カードなどで決済するのが特徴です」


しかし、無人となると盗難や万引きなどの被害が心配だ。セキュリティーはどうなるのか。


「多くの店舗では、カメラによる顔認証や事前登録が必要です。店内には複数の防犯カメラが設置され、商品を決済しないと出口が開かないなど、何かを盗んで逃亡することができないようになっています」(同)


それでは、無人店舗が増加した背景には何があるのか。経営コンサルタントが解説する。


「総務省の調査によると、日本は2040年に65歳以上の高齢者が全人口の35%を超え、労働人口の減少が目前に迫っている。無人店舗の増加は、将来の人手不足解消のための準備でもあります」


また、長引くコロナ禍で各業界とも厳しい経営を迫られている中、現実的な問題として、無人化で人件費の削減を図るという意味もある。


コロナ時代にマッチする無人店舗

そして、新型コロナ対策としてのソーシャルディスタンスだ。


「コロナ第5波が鎮静化しても、第6波が来る可能性は否めない。コロナ対策は必須です。そうした面でも、無人店舗はコロナ時代にマッチします」(同)


しかし、防犯カメラやAI(人工知能)、さらには重量感知センサーなど、無人店舗の運営には相当なコストがかかるイメージが強い。その点をIT業界の関係者が明かす。


「本格的なICT化の無人店舗にするには、かつて数千万円かかると言われましたが、最近は1店舗200〜300万円あれば運営できるようになりました」


では、さまざまな無人店舗について、前出の小売業界関係者が解説する。


「貸し切り型の完全個室ジム『ハコジム』は、広島県や福岡県などを中心に店舗展開している。24時間営業、月額3800円の会員制ジムで、料金は事前決済、トレーニング日は予約制だ。ICキーで入退場する個室のジムなので、コロナ感染の不安が取り除かれ、トレーニングに専念できると人気を呼んでいます」


最近は家電販売の無人店舗もある。


「今年7月、東京・大田区の蒲田駅近くに、業界初という24時間営業の無人家電販売店『ゴジユウニ』がオープンした。ここではリサイクル品の冷蔵庫、洗濯機、テレビなどが格安で販売されている。決済はタッチパネル方式で現金も使用できるため、IT音痴でも気軽に利用できる」(同)


奈良県奈良市には、日本初の無人キャッシュレス書店『ふうせんかずら』があり、本好きに知られている。


「事前登録するとIDが発行され、そのIDナンバーで電子キーを開けて入店するシステム。店内は複数のオーナーがセレクトした個性あふれる本が、約2000冊あります」(同)


高齢者が多い地域は閑古鳥の心配も…

東京都や埼玉県、岩手県などで店舗展開するのは、無人古着店『秘密のさくらちゃん』だ。店内には紳士服、婦人服など数千点が展示され、顧客が入るとセンサーが反応。店員が自宅から、店内設置カメラを見てリモート接客する。常連客が言う。


「会計はモニター付き券売機で、服に付けられた価格100〜2000円の券を購入し、支払う簡単システムだ。外国人客が多いのも、この店の特徴です」


さまざまなジャンルで進化する無人店舗だが、やはり心配事は尽きない。前出の経営コンサルタントが指摘する。


「韓国などでは無人店舗に居座ったり、店舗内で寝転がったりする輩がいて、問題になりました。こうしたことは日本の無人店でも起きかねない。防止策を講じないと、すぐ閉店に追い込まれます」


また、店内で複数の客が重なると、誰が商品を取ったのかカメラが認識できず、決済せずに商品を持ち出される危険性が高まる。


「無人店舗に不慣れな高齢者が多い地域は、工夫を凝らさないと閑古鳥が鳴きます。さらに、ICT化が進む無人店舗は、停電や電力不足などの非常時に備えなければなりません」(同)


しかし、多少の懸念はあるとはいえ、大手企業も今年に入って、積極的に無人店舗システムを導入している。こうした無人店舗への大きな流れが、コロナ禍を経てますます強まっていることは間違いない。



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