業態転換開始から2年で成熟、ドンキ×ユニーのダブルネーム店舗の最新形

業態転換開始から2年で成熟、ドンキ×ユニーのダブルネーム店舗の最新形

3月17日にリニューアルオープンした「MEGAドン・キホーテUNY 市原店」。32店舗目の業態転換店となる

 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)が子会社化したユニーの「アピタ」「ピアゴ」の業態転換を開始し、2年が経過した。3月17日には32店舗目の業態転換店「MEGAドン・キホーテUNY 市原店」をリニューアルオープン。両社の融合がどこまで成熟したものになっているのか取材した。
 「アピタ市原」が業態転換した「MEGAドン・キホーテUNY 市原店」は2フロア展開で、1階に生鮮食品・菓子類・酒類・家電などの日用品、2階に衣類・スポーツ用品・化粧品・玩具などのライフスタイル雑貨を配置している。
 同店の竹田友頼総店長によると、商圏となるエリアは単身世帯が4割、20〜40代が4割を占める。これはMEGAドン・キホーテがメインターゲットとする若者やニューファミリーに合致する。工場地帯ということもあり、仕事帰りの少し遅い時間帯にピークタイムがあるのも特徴だ。
 まずは、1階フロアをくまなく回り、両社のエッセンスがどのように融合しているのかウォッチした。入り口から近いエリアに位置する生鮮食品エリアはリニューアル前から売場面積が約1.5倍に拡大し、特に精肉や総菜はドンキ色が強い。「驚安」のPOPが至る所に張り出され、価格インパクトのあるコーナーが作られている。
 ドンキがもっとも得意とする菓子売り場の充実ぶりも目を引く。約100坪を割いた売り場には山積みワゴンや遊びのあるレイアウトを採用。実用性を重視する本来のGMSのあり方との違いを実感することができた。
 輸入食品のエリアは床や棚の色を変えるなど、売り場ごとのセグメントがはっきりと分かれているのも印象的だった。GMS業態ということもあり、ドンキの代名詞でもある迷宮のような入り組んだ動線にはしていない。どこに何があるのか、分かりやすさを重視している。
 1階フロアでリニューアル前からもっとも様変わりしたのが家電売り場だ。これまでも若干の取り扱いはあったが、現在は生活家電からデジタル家電まであらゆるジャンルを幅広く揃えた。カー用品については、初めての取り扱いとなる。
 驚いたのが、かなり本格的なゲーミングのエリアを設けていたことだ。「試遊台を用意したり、eスポーツブランドのアイテムを取り扱ったりするなど、かなり注力している」(竹田総店長)。若者への意識はスマートフォン周辺機器の充実などにも見てとれる。
●理路整然としたフロア構成 若者への意識が鮮明に
 続いて、2階フロアを訪問すると、広々とした通路に新鮮さを感じた。先述したようにドンキといえば複雑な動線でさまざまな売り場を回遊させる“迷宮”のイメージがつ強いが、同フロアは理路整然としていてどこで何が売られているのか、一目瞭然だ。
 売り場はライフスタイル(衣類・化粧品・宝飾品など)、スポーツ用品、キッズ向け、フードコートで幅の広い通路を隔てて、きっちりと分かれている。通路には複数のベンチが設けられ、休憩スペースとしても機能する。化粧品はこれまで1階で取り扱っていたが、購買ターゲットが同じ商品と一箇所にまとめるために2階に移動させた。
 GMSの2階というとあか抜けないイメージが強いが、同店は人気のあるブランドをしっかり揃え、感度の高い若者にも刺さる売り場になっている。このあたりは、ドンキの目利きが効いているのだろう。フードコートにはドンキが展開するタピオカ店「tapi-mo(タピモ)」や初展開となるバナナスイーツの専門店「lena panana」をオープン。こちらもやはり若者向けの施策だ。
 個店ごとに戦略を変えるのがドンキ流なので、単純比較はできないかもしれないが、業態転換店の1店舗目である神奈川県横浜市の大口店と32店舗目の市原店を比較して感じたのは、ドンキエッセンスの取捨選択だ。
 大口店は“ほぼMEGAドンキ”という印象が強かったが、市原店は“アピタをベースにしつつ、ドンキエッセンスでアレンジした”という印象を受けた。ただ“いかに時間消費型の店舗に作り替えるか”という一貫したコンセプトはブレていないようにも感じた。
 PPIHは2023年までにアピタ・ピアゴの約100店舗をダブルネーム店舗に業態転換していく。また、業態転換店をしない既存のアピタ・ピアゴでもドンキの融合が進む。4月6日にはPPIHのオリジナル電子マネー「majica(マジカ)」を導入。相互連携をさらに強化していく予定だ。(BCN・大蔵大輔)

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