子どもへのプログラミング教育実証、成果を発表──「教育の情報化」フォーラム開催

子どもへのプログラミング教育実証、成果を発表──「教育の情報化」フォーラム開催

東京証券会館で開かれた「教育の情報化」フォーラム

 総務省は5月16日、東京証券会館で「教育の情報化」フォーラムを開いた。同省が2014年度に始めた「先導的教育システム実証事業」や16年度に始めた「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業の成果などを報告した。 前半では、先導的教育システムとして「教育クラウド・プラットフォーム」の実証事業概要を紹介。時間や場所、端末やOSを選ばず、最先端のデジタル教材などを利用でき、かつ低コストで導入・運用可能なプラットフォーム事業を112校、1万3694ユーザーで実証した結果を報告した。フォーラム後半では、「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」について、事業成果と新規プロジェクトも紹介した。
 若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業は、小学校でプログラミング教育が必修化される20年を前に、プログラミングを通じて子どもたちの論理的思考力や課題解決力を育て、クラウドや地域人材を活用しながら低コストで効果的な実施手法や指導者育成方法を模索するために始めたもの。1プロジェクトあたりおよそ500万円の予算をつけ、プログラミング教育を企画・実施する事業者を公募した。条件は、地域の大学生や専門学校生などの人材を活用したプログラミング指導者(メンター)の育成を行って、小学校や中学校などで5回以上メンターによるプログラミング講座を行う、といったものだ。
 フォーラム開催にあたって、総務省の太田直樹 総務大臣補佐官は「指数関数的で急激な変化にさらされる現代社会。教育も変化が求められている。プログラムを学ぶ、ではなく、プログラミングで学ぶ、という考え方で子どもたちに理論的思考力を身につけてもらいたい」と話す。「子どもたちの間で、サッカー部と同じようにパソコン部の人気が出るような社会にしていきたい」と挨拶した。
 また、総務省情報流通行政局の御厩祐司 情報通信利用促進課長は「受講した児童生徒の92%が、プログラミングや講座について楽しかったと回答。71%が今後もプログラミングを続けたいと答えた」とし、大きな成果があったと話す。
 また、指導にあたったメンターについても「およそ7割が今後も指導を続けられると回答した。メンターを務めた高校生や大学生の反応は、自分の成長にもつながった、子どもたちのプログラムを見て考え方の視野が広がったなどの反応が見られた」と話した。さらに、今後の展開として「20年度には、クラウド上の教材や人材を活用したプログラミング教育を実施可能な学校を100%にしたい」と語った。
 16年7月〜12月の間に開かれた初回は全国11ブロックで講座が実施され、756名の児童生徒が参加した。フォーラムでは11の実証団体の代表者が集まり、パネルディスカッションを実施した。北海道ブロックでLITALICOと共同し「発達段階(発達障害も含む)に合わせた異年齢協働プログラミング教育」と題したプロジェクトに携わった、北海道北広島市立東部小学校の設楽正敏 校長は「通常の授業では集中力が続かない児童も、プログラミングとなると8時間にわたって集中するような場面もあり驚かされた。子どもたちの得意分野を引き出す良いきっかけになった」などと感想を語った。
 また、16年度の第2次補正予算で追加認定された19のプロジェクトについては、これから17年12月までに取り組む概要について代表者が説明。「教育版マインクラフトを活用したプログラミング的思考学習の推進」と題して実証する日本マイクロソフトのパブリックセクター統括本部文教本部 原田英典氏は、「土佐市と東みよし市で実証を行う。ゲームでおなじみのマインクラフトだが、教育版を利用して楽しみながらプログラミングを学べるように工夫する」などと話した。(BCN・道越一郎)

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