新設“三重県版デジタル庁”がもたらす地方の未来 デジタル変革がもたらす「住みたい場所に住める地域づくり」

新設“三重県版デジタル庁”がもたらす地方の未来 デジタル変革がもたらす「住みたい場所に住める地域づくり」

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今後のデジタル社会形成に一貫して取り組むため、三重県は2021年4月に“三重県版デジタル庁”とも言える新組織を設置した。三重県の事例を通じて、地方が目指すべきデジタル社会像を明らかにする。(JBpress)

※本記事はPublicLab(パブラボ)に掲載された「地方自治体が目指すべきデジタル社会とは 東京一極集中の是正とデジタル社会形成の関係」を再構成したものです

(横山啓:三重県スマート改革推進課長
(上松真也:三重県創業支援・ICT推進課長
執筆時(2021年3月)時点

 デジタル庁の創設をはじめとして、国においても急ピッチのデジタル変革が進んでいる。ここで目指しているのは、行政が業務や組織運営の在り方を見直すだけでなく、社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進むよう、全ての住民にデジタルの恩恵が行き渡るような取り組みを進め、デジタルを活用して一人ひとりのニーズに対応することで、多様な幸せを実現することである。

 三重県では、前編「地方を崩壊から救う3つの「スマート」とは」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64858)でご紹介した「スマート改革」に取り組み、行政のDXの先進事例として全国でも注目されてきている。

 また、2020年度は「クリミエ<Cティブ実証サポート事業」を開始した。新型コロナウイルス感染症によって生じた新たな社会課題の解決や新しい生活様式の実現に向け、革新的なビジネスモデルやテクノロジーで対応しようとする国内外の大企業やスタートアップなどに対してアイデアを募集している。また、開発のサポートや実証・社会実装の支援等を通じたモデルの構築も目指している。

 一方、デジタル社会形成の観点からは、これまで以上に一貫したスピード感のある取り組みが必要であり、県庁の各部局で取り組んでいるデジタル関係施策を集めた新組織をつくるべきだとの鈴木英敬知事の判断の下、2021年4月に最高デジタル責任者(CDO)および「デジタル社会推進局」が設置された。

 後編では、三重県が見据えるデジタル社会像をご紹介するとともに、設置された「デジタル社会推進局」の組織体制などについてお示ししたい。なお、文中の意見に係る部分は筆者の私見であることをお断りする。

東京一極集中を変えるデジタルの力

 ビフォーコロナの社会で地方が転出超過に悩んでいたのは、端的に「教育機会」と「勤務先」の選択肢を大都市の方が豊富に提供できたからである。

 総務省の住民基本台帳人口移動報告(2019年)によれば、地方から東京圏への転入超過の約9割が、10代、20代の転入によるものである。進学・就職をきっかけとして、教育機会や勤務先を豊富に提供できる東京圏への転入超過が起きていたと考えられる。

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