「親会社」を無視して暴走する「子会社」日銀 量的緩和に歯止めをかける「統合政府」の債務管理が必要だ

「親会社」を無視して暴走する「子会社」日銀 量的緩和に歯止めをかける「統合政府」の債務管理が必要だ

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(池田 信夫:経済学者、アゴラ研究所代表取締役所長)

 安倍元首相の「日銀は政府の子会社だ」という発言が話題を呼んでいる。これに一部の野党が「日銀の独立性を侵害するものだ」と騒いでいるが、これは安倍氏の持論であり、間違いではない。

 日銀は政府が55%出資し、政府の独占する通貨発行権を執行する「認可法人」であり、政府の子会社といってもいい。むしろ問題なのは、独立性の強すぎる子会社が親会社を無視して暴走していることだ。

日銀は政府の子会社である

 安倍氏の発言は、TBSによると、次のようなものだ。

 これをマスコミが問題にし、立憲民主党や共産党が騒いでいるが、世界中どこにも政府から独立した中央銀行は存在しない。日銀は内閣が総裁を任命する政府機関であり、銀行という形をとっているのは、明治時代に多くの国立銀行が独自の通貨を発行していた歴史的経緯による擬制である。

 日銀法3条も「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」と定めているだけで、日銀が内閣の方針に反する決定はできない。

 日銀の本質的な役割は通貨発行だが、1960年代から不況のときは金利を下げる金融調節が行われるようになった。この時期には日銀は政府に従属していたので、財源が足りなくなると通貨を増発し、インフレになることが多かった。

 特に1970年代の石油ショックのときは、各国の中央銀行が金融緩和を行った結果、大インフレが起こった。政治家には金融緩和を好むインフレバイアスがあるので、1980年代に欧米では中央銀行の独立性を尊重するようになった。

 しかし日本では日銀の独立性がなかったため、1980年代に政府が「円高不況」の対策のために公定歩合の引き上げを許さず、不動産バブルを誘発した。その反省から1998年に改正された日銀法で独立性を明記した。

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