高齢引きこもり殺人:川崎と練馬事件の背後関係 世界で真っ先に日本が直面している高齢化ニートの大問題

 元号が変わったばかりの5月28日、神奈川県川崎市登戸の路上で発生した20人に及ぶ死傷者を出した殺傷事件。51歳の犯人Iも現場で自殺したと報じられました。

 そのニュースが流れる6月1日、今度は東京都練馬区の民家で、76歳の父親が44歳の息子を刺殺したとの110番通報で、新たな殺人事件が明らかになりました。

 立て続けに起きた2つの事件には、一目見て分かる共通点があります。

 いずれも亡くなっていますが、事件の中心に40〜50代の、いわゆる「ひきこもり」の人物が存在し、家庭内暴力その他の背景があって、事件に至っている。

 8050問題、7040問題などと呼ばれる、中高年化するひきこもり、ニートと、それを扶養する高齢の親・親族という構図が、2つの事件に共通しています。

 これらの事件を巡って、すでに報道されているのとは違う切り口から、問題の構造的側面を考えてみたいと思います。

通り魔事件の点と線
池田、下関、池袋、秋葉原・・・

 ここで、多くの方が記憶しておられると思われる、2001年6月8日に大阪府池田市の大阪教育大学付属池田小学校で発生した小学生無差別殺傷事件を振り返ってみます。

 登戸の事件と同様、小学生を対象に出刃包丁を持った中年の男が無差別に襲撃、児童8人が死亡、児童13人と教諭2人が重軽傷を負うという、あってはならない被害が発生しました。

 この事件の犯人、T(1963−2004、犯行当時37歳)の言動は社会の注目を集め、1審判決後早々に確定し早期に執行された死刑を含め、現在まで言及されることが少なくありません。

 この事件の公判で、Tは「下関事件の模倣犯になりたかった」と述べています。

 ここで言われるのは、1999年9月29日、山口県下関市のJR下関駅構内に突然乗用車が突っ込み、人々を次々にはねながら暴走したのち、運転していた男が車から降りて包丁を振り回し、人々を次々と殺傷、5人が死亡10人が重軽傷を負った「下関無差別通り魔事件」です。

 この下関事件の犯人U(1964−2012、犯行時35歳)は、様々な個人的、社会的挫折を経て「誰でもいいから殺してやろうと思った」という典型的で短絡的な動機のもと、犯行に及んでいます。

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