サマンサタバサが陥った「強すぎる必殺技」の罠 ナカヤマン。が語る“スクラッチ”というプロモーションの勝ち筋

(角田 貴広:編集者・ライター)

 サマンサタバサジャパンリミテッド(以下、サマンサタバサ)の創業者として長年代表を務めてきた寺田和正社長が2019年4月に退任した。寺田元社長は業績低迷による辞任という見方を否定したが、販売の落ち込みによる経営不振に苦しんできたことは事実だ。

 同社および寺田元社長とも交流があり、これまでファッション業界のソーシャルメディア戦略を数多く手掛けてきたナカヤマン。は、経営不振の要因の1つとして、同社が得意とするプロモーション施策の効果が薄れてきたことを感じたという。

“強い必殺技”を持ちすぎた

 サマンサタバサといえば、2002年にヒルトン姉妹をイメージモデルに起用し、その後もビヨンセや蛯原友里などを登用した、いわゆる“スターセレブによるプロモーション”が有名。2017年には“サマンサ・ミレニアル・スターズ”の名で、システィーン・スタローンやロッティ・モス、サラ・シュナイダーらミレニアル世代の注目セレブをミューズとして起用したことも話題となった。

 しかし、その手法が通じなくなってきた。ナカヤマン。はファッション業界のプロモーションのスキームが変わってきたことを指摘する。

「サマンサタバサはこれまでのスキームを維持しながら、中に置くコンテンツを変えてアジャストしようとしてきたように見えます。つまり、出演者を定期的にリニューアルしてきたわけですが、ビヨンセの時代とサラ・シュナイダーの時代ではメディア全体の市場背景が違う。出演者を変えるにも、次のスターセレブは生まれない、グループ編成で複数人を足し上げても同じ効果が出ない、という苦悩が裏にあったことでしょう」

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