「非行少年」更生の鍵握る協力雇用主・保護司の奮闘 罪を犯した人へのサポートこそ安心・安全な社会への第一歩

(廣末登・ノンフィクション作家)

「協力雇用主」をご存知だろうか。昨今、更生保護への社会的関心が高まるなか、新聞などのメディアで散見されるワードである。

 わが国では、この協力雇用主の存在が、再犯の防止という点において大きな役割を果たしている。協力雇用主とは「犯罪や非行経験者を、その前科・前歴という負の事情を理解した上で雇用し、彼らに対して就労継続に必要な技能や、生活習慣を習得させるための指導や助言を行う」雇用主のことである。

更生保護を担う人々

 法務省は、協力雇用主の充実に力を入れている。その理由は、保護観察終了者のうち、有職者と無職者を比較した際、「再犯率」が大きく異なることが分かったからである。平成24年から28年の保護統計年報等のデータをみると、再犯率は有職者7.9%に対して無職者25.9%と、3倍強の違いが見られた。さらに、刑務所の再入所者の71.8%が、再犯時に無職であったことが明らかになった。

「小人閑居して不全を為す」という俗諺があるが、このデータをみる限り的を射ている。刑務所出所者等への就労支援を効果的に実施し、再犯や再非行を防止するためには、「社会的受け皿」となる協力雇用主の存在が不可欠である。

 もっとも、地域に戻り、協力雇用主の下で就労した保護観察付きの刑務所出所者等(以下、対象者)を、日常的に支え、叱咤激励しつつ更生を見守るのは、ボランティアである保護司の面々である。彼らは、手弁当で対象者と面談し、教導に尽力している。

関連記事(外部サイト)