ノーベル医学生理学賞:がん細胞が転移にも利用 “細胞ベンチャー”として、リスク管理から考える

ノーベル医学生理学賞:がん細胞が転移にも利用 “細胞ベンチャー”として、リスク管理から考える

2019年のノーベル医学生理学賞を受賞したグレッグ・セメンザ教授(写真:AP/アフロ)

 2019年のノーベル賞が、10月7日、医学生理学賞を皮切りに発表され始めました。

 またしてもこの季節到来かと改めて思いますが、2008年、南部陽一郎先生のノーベル賞受賞を当てたことがきっかけでこうした解説を始めた頃、日本の10月というのは秋の日差しが優しくて、まだ10月10日が秋季運動会というような気候でした。

 それが、続発する台風が行列をなして襲いかかる、夏日の10月まで「気候変動」してしまった、そういう短期間の、でもたぶん残念ながら不可逆のリスクを、きちんと考えるべきだと思うのです。

 この原稿はドイツのミュンヘンで書いています。フェイスブックが10億円ほど寄付してミュンヘン工科大学に「AI倫理研究所」というものを設立し、そのキックオフシンポジウムに呼ばれてこちらに来たのですが、気温は何度だと思われますか?

 東京を出たときは摂氏33度でした。それが、ベルリンに着くと4度です。一応セーターは準備していましたが、たまったものではないので、すぐに駅のH&Mに駆け込んで、厚手のコートを買いました。

 環境の急変に対しては、備えをしなければなりません。

 日本列島は、9月以降にも超大型の台風が毎年、列をなして襲いかかるリスクにすでに直面していることをはっきり意識する必要があります。

 そのうえで国レベル、自治体レベルでの公共的な対策を立てなければ、少子高齢化や過疎でただでさえ傾きかけている高度成長期以来のインフラが、一部の鉄塔や電柱のように、根こそぎなぎ倒されてしまいかねない。

 そういうリスクに対応する本質的な基礎科学に、今年度のノーベル医学生理学賞が贈られました。発表からまだ1時間ほどですが、欧州からお送りしたいと思います。

 本年度のノーベル医学生理学賞は「酸素代謝」に関する基本的なメカニズムの解明でウイリアム・ケーリン、ピーター・ラトクリフ、グレッグ・セメンザの3氏に贈られました。

 どこの国だとか、日本連覇ならずとか、スポーツ芸能まがいの妄言は当然ながら記しません(苦笑)。今年もどうせ、そういうみっともない見出しが、性懲りもなくメディアには踊るのだと思いますが・・・。

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