テスラの家庭用蓄電池は災害対策の救世主となるか? 住民に大きな負担を強いる“体育館への一斉避難”

テスラの家庭用蓄電池は災害対策の救世主となるか? 住民に大きな負担を強いる“体育館への一斉避難”

台風19号の接近に伴って開設された埼玉県・川越市の避難所(2019年10月14日、写真:AP/アフロ)

 台風15号と19号が大きな被害をもたらしたことから、家庭の災害対策への関心が急速に高まっている。こうした中、米テスラが家庭用蓄電池をいよいよ日本国内でも販売開始する。バッテリーの性能が予想を超えるスピードで向上しているという現状を考えると、家庭用蓄電池は、災害対策の切り札の1つとなるかもしれない。(加谷 珪一:経済評論家)

電気がないと何もできない社会に

 台風15号の通過によって、千葉県内では広域にわたって停電が発生し、復旧には想像を超える時間を要した。台風15号による停電は、送電線が倒壊したことが直接的な原因だったが、各地で電柱の倒壊や倒木などが相次ぎ、同時多発的にトラブルが発生したため、復旧作業は困難を極めた。

 続く台風19号では、やはり千葉県の一部で突風による送電線のトラブルから停電が発生したほか、各地で浸水の被害が相次いだ。再開発が行われ、タワーマンションが林立した一部地域では、建物内部に水が流れ込んだことで配電設備が使えなくなり、電力会社からは電気が供給されているものの、マンション内が停電になるというトラブルも発生している。

 災害時には、電気、ガス、水道、通信など、様々なインフラが影響を受けるが、近年、電気への依存度が上がっており、停電が発生してしまうと、多くの世帯では基本的に何もできなくなる。

 各家庭に独自の電源があり、限定的であっても一定の電力を使用できると、災害時の環境は劇的に改善する可能性が高い。だがこれまでの常識では、各家庭が独自に電源を保有することは不可能に近かった。

 一部の集合住宅では非常用電源を備えているところもあるが、非常用ディーゼル発電機というのは、メンテナンスの負荷が大きく、かなりのコストと手間をかけないと完全な状態で維持することはできない。また燃料の保管も法令上の縛りが多く、簡単ではないので、ごく限られた施設でしか運用できない。

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