「ラーク」「マールボロ」が世界から消える日 爆発的ヒットの「IQOS」はなぜ日本が最初なのか

「ラーク」「マールボロ」が世界から消える日 爆発的ヒットの「IQOS」はなぜ日本が最初なのか

中国の喫煙に起因する死者、30年までに年200万人 研究

 フィリップ モリス インターナショナル(PMI)が、20年の歳月と20億ドル(約2000億円)という巨費を投じて開発した「IQOS」を、世界に先駆けて日本の名古屋で試験的に販売した。

 以来、愛煙家の注目を集め、9980円という高額な商品であるにもかかわらず飛ぶように売れている。そのIQOSを巡る開発物語を前回ご紹介した。後編となる今回は、PMIはなぜ日本で最初に発売したのか、たばこの害を徹底的に削減する取り組みなどをお伝えする。

PMIが狙う「ハームリダクション」

 IQOSは喫煙による健康リスクを大幅に低減する可能性があるわけだが、だからといって喫煙が奨励されるわけではない。PMIも、IQOSは喫煙習慣を奨励するものではなく、あくまでたばこがやめられない人のためのものであることを強調している。

 PMIは、IQOSを含むRRP(Reduced Risk Products:リスクを低減する可能性のある製品)の開発は、「ハームリダクション」という考え方をもとにしている。

 ハームリダクションとは、「社会への悪影響(害)の低減」を意味する。害を及ぼす行為そのものを阻止するのではなく、その行為によって引き起こされる害の低減を目的とする考え方だ。

 例えば、車の運転が危険だからといって、政府は人が運転する行為を禁ずることはせず、その代わりに交通規制の強化やシートベルト着用の義務づけ、安全性能の優れた車の生産を促すといった政策をとる。

 覚せい剤など中毒性が強く、健康リスクの高いドラッグを抑制するため大麻を合法化しているオランダの薬物政策などもその一例だ。ハームリダクションは、欧米ではすでに公衆衛生政策の基本姿勢ともなっている。

 また、PMIではIQOSのほかに、3つのカテゴリーのRRPを同時に開発している。

 例えば、粉末状のものをそのまま吸引するタイプのものや、いわゆる電子たばこの要領で、液体にニコチンを含ませたものを熱するタイプ、そして従来のたばこ1本分のサイズの長さのもので、ある箇所に金属製の輪をつけてそこを火で熱することによってたばこ葉を熱するという方式のものなども開発しているという。

 成人喫煙者の嗜好が幅広く、1つの製品だけですべての喫煙者に満足感を提供できるわけではないため、様々な製品カテゴリーの開発をしているのだ。

 PMIでは、IQOSを含めRRPの開発に当たって、「たばこハームリダクション」の考え方をもとにしている。IQOSはあくまで現在の喫煙者を対象にした商品であって、喫煙者を増やすためのアイテムではない。あくまで喫煙者によりリスクの少ない選択肢を提供することを主眼にしている。

続きはJBpressで

関連記事(外部サイト)