大学の特任教員問題は過渡期の現象か、危機の予兆か 多様化する「大学教員」はどこへ向かう?(3)

大学の特任教員問題は過渡期の現象か、危機の予兆か 多様化する「大学教員」はどこへ向かう?(3)

大学教員の「機能分化」は、誰が推し進めているのか。

 前回の記事「ポスドク問題の次は『特任教員問題』が発生か」では、この10年あまり、日本の大学において任期付の特任教員が増え続けてきた理由として、財政難を背景とする人件費の抑制策としての側面が大きかったこと、そうして雇われた特任教員には、任期の終了後のキャリアラダーが未構築であること、とりわけアカデミック・バックグラウンドを有しない社会人出身の特任教員の場合には、任期終了後のキャリアパスがつながらないなどの困難が生じてくる可能性があることについて触れた。

 今回は、見てきたような大学教員の多様化が、今日の、そして今後の日本の大学にいかなる影響を及ぼすのかについて考えてみたい。

大学教員の任務に起きている変化

 大学の財政難の話はひとまず脇において、まずは、大学教員という職業世界に何が起きているのかを整理してみたい。

 20数年前、筆者が大学の教員になった頃の「業界」の常識では、大学教員の任務は、「研究」「教育」「種々の学内業務」の3つを柱としていた。その後もしばらくの期間は、この常識が通用していたはずである。

 しかし、現在では、それが崩れはじめている。1つには、任期付の特任教員の中には、最初から「研究」を期待されていない者が存在している。(なぜなら、そうした教員枠の採用に際しては、研究業績が優先的に問われたりはしていないのだから)

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