日米韓連合が東芝メモリの売却先として最悪な理由 2度にわたる入札は一体何だったのか?

 東芝の取締役会は6月21日、東芝メモリの売却に関して、政府系ファンドの産業革新機構を中心とする「日米韓連合」と優先交渉を行うことを発表した(日米韓連合へ売却する契約の締結は6月28日の株主総会に間に合わず、先送りになったようだ)。

「日米韓連合」は、特別目的会社(Special Purpose Company、SPC)を設立し、このSPCが東芝メモリを2兆円で買収する計画である(図1)。この「日米韓連合」には、過半を出資する革新機構の他に、日本政策投資銀行、米投資ファンドのベインキャピタル、NANDの競合の韓国SKハイニックス(SK Hynix)、三菱東京UFJ銀行が加わっている。

 この東芝の取締役会の決定は、筆者が想定した中で、最悪の結果である。もっと言えば、「最悪」×「最悪」×「最悪」という「最悪の3乗」ではないかとすら思う。

 また、「日米韓連合」の中心となっている革新機構は、東芝メモリ売却の2度のわたる入札に一度も応札していない。東芝は、2度にわたる入札を一体何のために行ったのか? そして、一度も応札していない革新機構等の連合と優先交渉することが、自由主義経済を標榜している(はずの)日本で許されることなのか?

 本稿では、これらを論じたい。その前に、5月19日に行われた2次入札の後、東芝の取締役会が最悪の決定を下すまでの間に、応札者がどのような動きをしたかについて詳述する。

2次入札直後の状況

 5月19日に行われた東芝メモリの2次入札は、下の表のような状況になった(表1、詳細は本コラム「子供のケンカをしている場合ではない東芝とWD」を参照いただきたい)。

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