「よそ者公務員」だからできた里山再生の薪割り事業 シリーズ・地方からの反撃 東近江市の場合(前編)

「よそ者公務員」だからできた里山再生の薪割り事業 シリーズ・地方からの反撃 東近江市の場合(前編)

*写真はイメージです

 私は、民放テレビの報道局に勤務しながら、全国各地を飛び回っている。物見遊山に地方を見物しているのではない。それぞれの地域を「歴史的な現場」と位置付けているからだ。その現場が突き付けてくる課題は、戦場や革命の現場のそれに勝るとも劣らないと思う。日本の人口減少は、人類史上経験のないスピードで進んでいる。その影響が如実に表れているのが地方の現場だからだ。

 平凡な地方の日常と思うなかれ。人口が減れば、病院や学校、スーパーなどもなくなる。そうなると、働く場所もなくなる。少子化で小学校や中学校も統合され、子育てが困難となる。人々はますます、地方をすて、東京に移り住む。地震や災害のように建物が壊れるわけではないが、静かにゆっくりと地方を「破壊」している。

 振り返れば、日本は明治維新以降、「人口増」を前提に形作られてきた。人口が増えるから、借金しても道路をつくる。その論理はある時期までは正しかった。公共事業や補助金は永田町や霞が関の権力の源泉だった。しかし、人口減少の時代に入って、そのやり方を180度変える必要がある。それなのに、十分な対応ができてない。

 政府がもたもたしている間に、地方の現場が動き始めている。人口減少を正面からとらえ、従来の手法とは、違ったやり方で挑戦する人々が出ている。公民館長の場合もあれば、公務員、さらには中小企業の経営者など。「わがまちを守る」。彼らの情熱が、時には過疎の地方に奇跡を起こす。私はこのコーナーで、現場の動きをお伝えしたい。それは日本を再興する処方箋になると考える。

行政はスポットライト周辺は暗い 

 現場主義を徹底している公務員がいる。滋賀県・東近江市役所の山口美知子だ。「緑のジャンヌ・ダルク」という異名を持つ。その理由は、この文章を最後まで読んでいただければ、わかる。

 私が会った時には、市職員としては、「森と水政策課課長補佐」という肩書だった。現在は企画部企画課主幹。しかし、山口は、縦割りのお役所仕事≠ニは、異質な動きをする。現場を歩きまわり、課題を吸収して公務員として動く。 

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