ゴーン逃亡を許した日本の法的問題点 日本の出入国管理制度の現状と法整備の必要性

ゴーン逃亡を許した日本の法的問題点 日本の出入国管理制度の現状と法整備の必要性

ロイターの取材を受けピースサインでカメラに応えるカルロス・ゴーン被告(左は妻のキャロライン氏、1月14日ベイルートで、写真:ロイター/アフロ)

 レバノンに逃亡した日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告は、楽器を入れる木箱に身を隠し、プライベートジェットでセキュリティチェックを受けずに、出国したと報じられた。

 筆者は、プライベートジェットの利用者、すなわち富裕層が出入国審査をしている国の機関から、そんなに優遇されているのかと驚いた。

 富裕層が必ずしも信頼できる人たちとは限らないことはゴーン被告が例証している。

 我々が国際定期便で海外旅行に出かける時には、空港で搭乗前にかならず保安検査(セキュリティチェック)を通過する必要がある。

 保安検査で時間がかかりすぎて飛行機に乗り遅れそうになったり、あるいは荷物を没収されたりと、誰でもが一度は経験したことがあるであろう。

 その後の報道により、空港の出発ゲートであろうと、プライベートジェット専用ゲートであろうと、CIQ(入管・税関・検疫)業務は国の機関が実施しているが、保安検査は航空会社から委託された民間警備会社が実施していることが分かった。

 そして、保安検査の目的は、航空機の安全確保であるので、不特定多数の乗客が搭乗する一般の旅客機では徹底されているが、富裕層が利用するプライベートジェットでは緩いケースもあるということも分かった。

 例えば、通常、荷物はX線検査が行われるが、関西空港のプライベートジェット専用ゲートにあるX線検査の機械には木箱が入らなかったため、X線検査が行われなかったという。

 それでも、なぜ検査員が荷物を開け、中身を確認しなかったのという疑問は残る。

 周囲を海に囲まれた日本で、テロリストやエボラ出血熱などの入国・侵入を防ぐためには、国際空港・港湾において出入国審査、輸出入貨物の検査等の水際対策を的確に実施することが重要であることは言を俟たない。

 立憲民主党の枝野幸男代表は、1月4日の会見で、「こうしたことを許してしまったことは日本の出入国管理体制にとって大変恥ずかしい事態」だと指摘した(時事ドットコム1月4日)。

 筆者も日本の出入国管理はいったいどうなっているのかと思わざるを得ない。

 そこで、日本の出入国管理制度(含むテロの未然防止策)について、関連省庁のホームページ(HP)を参考に、取り纏めた。

 初めにプライベートジェット専用施設について述べ、次に保安検査について述べ、次にCIQ業務について述べ、最後に提言を述べる。

 なお、本稿は空港の出入国管理制度に焦点を当てているが、港湾の出入国管理制度も基本的に同じである。

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