「透析停止」と病状の死角  問われる制度整備と「人間の尊厳」

 東京都福生市の公立病院で、腎臓病の透析治療を受けていた患者(女性、享年44)が、人工透析治療の「停止」を医師に提案されこれを了承、数日後に死亡していたことが毎日新聞の取材によって明らかになり、多くの論議を呼んでいます。

 当該の病院には東京都福祉保健局の立入検査が行われ、別に日本透析医学会の調査も入りました。

 委員会メンバーで医師の秋野公造参議院議員は「医師が延命治療を中止し、患者が死亡した場合、殺人や自殺に関与した罪に問われる可能性がある」と指摘し、法的な整理が必要との考えを示してもいます。

 日本では透析治療の停止は、病状の終末期のみ認められるガイドラインが透析医学会により採用されています。

 しかし、この女性患者の場合、もし透析治療を継続していたなら、余命が4年程度あったと報道されており、正しいとすれば、およそ「終末期」には当たらないことになります。

 そうであるなら、これは一種の「尊厳死」の問題にもなり得ます。医療現場の個別判断だけでは済まない、倫理的な問題を含む可能性があります。

 一連の行為について帝京大学准教授で生命倫理を専門とする冲永隆子さんの

 「死の選択肢を示し、結果的に(死へと)誘導」

 「患者は、よく理解しないまま不利益を被る選択をすることがある」

 「医師の独善」

 といったコメントが報道されました。沖永さんは医師ではありませんが、医療従事者からも 「JCHO千葉病院」の室谷典義院長が、公立福生病院の件について「医師による身勝手な考えの押しつけで、医療ではない」と手厳しい批判がなされました。

 これらに対して、福生病院側からは

 「当院で悪意や手抜きや医療過誤があった事実はない」とするコメントが発表されました。

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