昼食後の猛烈な眠気には理由があった 【連載】パンデミック時代の健康管理術(第7回)

昼食後の猛烈な眠気には理由があった 【連載】パンデミック時代の健康管理術(第7回)

by 近藤慎太郎

 本連載の第4回で、1日が「24時間10〜20分」の体内時計が、睡眠はもちろん、生活リズムに大きく影響していることを解説しました。

 今回は、その1日のリズムと、睡眠中のメカニズムについてもう少し詳しく掘り下げて解説いたします。

 そもそも、睡眠は何で必要なのでしょうか?

 もちろん、日中の活動によって疲れた体と頭を休ませて、回復させることは、睡眠の大切な役割です。

 特に、睡眠中には脳の中を「掃除」している可能性が示唆されています。 

 高齢者の場合、睡眠時間が短いと、アルツハイマー病の原因になるアミロイドという物質が脳のなかに溜まりやすくなると報告されています(1)。

 つまり、慢性的な睡眠不足によって、認知症のリスクが上がってしまうのです。

 また、よく言われるように、睡眠中に脳は「記憶の整理」をしています。

 その日に起きた出来事を反芻して、内容を整理、意味づけし、大切なことを記憶しています。

 その一つの証左として、記憶直後に睡眠をとった方が、記憶後に覚醒を続けるよりも記憶の低下が少なくなることが分かっています(2)。

 つまり、試験直前に勉強するとしても、徹夜明けで臨むよりも、少しでもいいから寝た方が良いのです。

 勉強はもちろんですが、仕事にしても、人間関係にしても、起きたことを記憶して、その情報をもとに少しずつよりよい方向に改善していくことが重要です。そういったフィードバックシステムは実り多い人生を送るために必須のものであって、睡眠がそれに一役買っているのです。

夜8〜10時の間に寝てはならない

 さて、1日のサイクルを大きく分けると、「睡眠」と「覚醒」の2つの相で成り立っているのは間違いありませんが、意識のレベルは、日中に「山型」で、夜間に「谷型」になるといった、単純な構造にはなっていません。

 まず午後の14時前後の活動性が上がるべき時間帯に、一時的に意識は睡眠の方に傾きます。また意外なことに、眠る直前の時間帯(20〜22時)は入眠に向けて意識レベルが一気に下がるかと思いきや、むしろ眠気は一時的に解消され、覚醒度が上がることが分かっています。この時間帯は、睡眠禁止ゾーン(forbidden zones)と呼ばれています(3)。

 意識レベルも意外と複雑な構造になっているのです。

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