木村花さんの悲劇、その「空気」だけで動く政治の怪 あまりに早すぎるSNS規制の動きに漂う強烈な違和感

木村花さんの悲劇、その「空気」だけで動く政治の怪 あまりに早すぎるSNS規制の動きに漂う強烈な違和感

2016年11月、女子プロデビュー1年目当時の木村花さん(写真:平工幸雄/アフロ)

(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)

 木村花という女子プロレスラーが22歳の若さで急逝したというネットニュースが駆け巡ったのは、23日の土曜日のことだった。所属団体が公式サイトで発表したことを受けてのものだ。そこには、こうある。

「当社所属選手 木村花選手が本日5月23日逝去いたしました」

「詳細につきましては、いまだ把握出来ていない部分もあり、引き続き関係者間の調査に協力してまいります」

事実は「SNS上で誹謗中傷があったこと」と「彼女が亡くなったこと」

 この女子プロレスラーが、フジテレビの番組「テラスハウス」に出演していたことから、ニュースは話題性を呼ぶ。「テラスハウス」は男女6人がシェアハウスで暮らす様子を放送する恋愛リアリティー番組で、昨年5月からはネットフリックスでも配信されていた。

 ところがそこへ、この番組での出演者とのやりとりをめぐって、SNS上で彼女を誹謗中傷するコメントが集まっていたこと、さらには、同日の未明にインスタグラムに本人の写真と「愛してる、楽しく長生きしてね。ごめんね」と書き込みのあったことが報じられる。

 すると、SNSでの誹謗中傷を問題視するところからはじまって、それを集めるきっかけを作った番組を批判する報道が目立つようになった。

 端的に言ってしまえば、「SNS上の誹謗中傷が彼女を自殺に追い込んだ」という見立てが前提となって情報が飛び交う。

 しかし、彼女が「自殺」したという公式な発表はない。自殺だとしても、その原因がSNS上の誹謗中傷にあるという検証もない。

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