防衛大の不祥事記事、脳裏をよぎった「あの事件」 大学は問題を把握しているが何十年も放置

防衛大の不祥事記事、脳裏をよぎった「あの事件」 大学は問題を把握しているが何十年も放置

2019年3月、防衛大学校卒業式で訓示を述べる安倍晋三首相(写真:UPI/アフロ)

(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)

 10日ほど前、朝刊を見ていたら、週刊誌の広告に目が留まった。「渡部建」関連ではない。「〈衝撃の内部告発〉緊急事態宣言下で起きていた防衛大の“戦線崩壊”『連続脱走』『校内不審火』『自殺未遂』そして『賭け麻雀』」という見出しである(『週刊ポスト』2020.6.26)。これを見た瞬間、もしかしたらあの事件の続報か、あるいは防衛大のさらなる不祥事か? と思ったのである。

「あの事件」というのは、2019年4月22日に日本テレビで放映された「NNNドキュメント'19 防衛大学校の闇 連鎖した暴力…なぜ」という番組で報じられた学生いじめ事件のことである。この番組はじつにショッキングだった。

 わたしは父親が海軍の軍人だった影響で、どちらかといえば軍隊や軍人には親和的である。兄はそれ以上で、『海軍兵学校物語 あゝ江田島』(1959年公開)という映画を観て兵学校に憧れ、当時の兵学校である防衛大学校を目指したのである。しかし強度の近視が原因だったのかどうかは定かではないが受験に失敗し、それでも次は江田島にある幹部候補生学校を目指したのである。ただし、実際に受験したかどうかをわたしは知らない。10年前に他界したため、もはや確かめられない。

 いうまでもなく防衛大学校といえば将来の防衛省・自衛隊を背負って立つエリート養成機関である。毎年朝霞訓練場で行われる内閣総理大臣臨席の自衛隊観閲式では全軍(といってはだめか、全隊)のなかで一番先に行進する栄誉を担っている。その他、ライフルをもって集団演技をする儀仗隊のファンシードリルは凛々しく、見ていて楽しい(米軍のドリルなどに比べると練度は見劣りするが)。わたしは観閲式やドリルを何度もYouTubeで見たものである。

関連記事(外部サイト)