いま「ミンク」に何が起こっているのか? 人獣共通病原体の感染力学を考える

いま「ミンク」に何が起こっているのか? 人獣共通病原体の感染力学を考える

デンマークで大量殺処分されたミンク(11月9日撮影、写真:ロイター/アフロ)

 デンマークで、毛皮用に飼育されているミンクが新型コロナウイルスに感染して大量死亡、さらに変異種の人間への感染も報告され、一時は「国内の全ミンクの殺処分を義務づける」報道がありました。

 欧州は全域で騒然となりましたが、日本国内のリアクションはどのようなものか、いま一つピンときていない様子に見えます。

 そこで今回は「人獣共通病原体」の感染力学=ダイナミクスについて考えてみたいと思います。

 動物がミンクだからいまいちピンとこないわけで、日本でも普通に見られる動物だったらどうでしょう。

 例えば、現在、香川県が深刻な事態に直面している「高原病性鳥インフルエンザ」(https://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir6/dir6_4/dir6_4_5/wljdsq201105082457.shtml)のように、県内・国内の養鶏農家が「すべてのニワトリを殺処分するよう義務づける」という法令と同じと考えるなら、その影響の深刻さを身近に感じられるかもしれません。

 殺したニワトリは、鶏肉として流通などすることは一切なく、焼却あるいは冒頭写真のようにただ単に穴を掘って埋めるだけ。産業は退縮し、個々の経営者は生活の危機に直面します。

デンマークで発生した事態

 まず、デンマークで何が起きたかのおさらいからしておきましょう。

 11月4日(混乱する米国大統領選挙投票の翌日)、デンマーク政府当局は、国内で発生した新型コロナウイルス感染者の少なくとも200人が「ミンク毛皮生産農場」に関連しており、ミンクからヒトに感染したケースがあることを発表しました。

 こうした、動物と人間とが同じ疾病にかかる病原体を「人獣共通感染症」と呼びます。

 昨年末、中国の武漢で発生した当初から、もともと山奥の洞窟に住んでいたコウモリの体内に存在していた可能性の高い今回の新型コロナウイルス。

 そもそもが「人獣共通病原体」として、動物から人間の世界に波及してきたのは、グローバルな気候変動、地球環境の変化が大きく関係していると考えられます。

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