LGBT旅行客に観光業界はどう対応する? チェックインや入浴時に配慮すべきこと

LGBT旅行客に観光業界はどう対応する? チェックインや入浴時に配慮すべきこと

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LGBTの認知が高まる中、LGBTに配慮しようというホテルや自治体が増えている。そうした中、アウト・ジャパン(東京都千代田区)は3年ほど前から、ホテルや自治体向けの「LGBTツーリズム研修」を実施している。

同社の代表で、国際ゲイ・レズビアン旅行協会(IGLTA)のアジア・アンバサダーも勤める小泉伸太郎さんは、「LGBTフレンドリーであるということをきちんとアピールすれば、LGBT旅行客の取り込みにつながる」と話す。

「同性同士でダブルベッドの部屋を予約すると変な目で見られることも」

小泉さんによると、ゲイ・レズビアンの旅行客は、ホテルや旅館で偏見の目で見られることがあるという。

「例えば、男性同士や女性同士でダブルベッドの部屋を予約すると、チェックインの時に『ツインじゃなくていいんですか?』と確認されることがあります。同性同士でダブルベッドの部屋を予約していると変な目で見られることがあるんです。こういった時、『ダブルのご予約ですね?』と自然に聞いてもらえれば、友人同士なのに間違えて予約したなら『違います。ツインです』と答えればいいですし、同性カップルなら『そうです』とだけ答えればいい。こうした心遣いが必要です」

男女カップルなら2人揃ってチェックインできるのに、同性愛カップルの場合は、人目を気にしてどちらか1人だけでチェックインを行うこともある。また、旅館のカップル割引や映画館、飲食店などのカップルシートが使いづらいといった問題があるという。

「トランスジェンダーの人は、また別の問題を抱えています。例えば、出生時の性別が男性で、自認する性別が女性である方の中には、見た目が男性とも女性ともつかない方もいて、女性としてチェックインすると、驚かれることもあります。本人が女性用のトイレや温泉を利用したくても、難しいかもしれませんが、そういった時も旅館側が頭ごなしに否定するのではなくて、理解を持って対応してほしいと思っています」

こうした現状を変えるため、同社はホテルや自治体向けの研修を行っている。

「弊社では、LGBTとは何かという基礎研修とLGBTの旅行客をどう取り込むのかという研修を実施しています。ホテルや旅館自体がLGBTフレンドリーと打ち出しても、従業員の方が現場できちんと対応できていないことも多い。まずは社員の方にきちんと研修を受けていただきたいと思います」

これまで、日本航空や三越伊勢丹、京王プラザホテルや大分県別府市、復興庁での研修を行ってきた。

「首都圏では、すでにLGBTのお客さんをお迎えしたことがある方も多く、『やっぱりそうだったんですね』という反応が多いです。地方では『全く知らなかったので、勉強になりました』と言っていただけることもあります」

LGBTの市場規模は約22兆円 日本でもゲイ向けのスキーツアー開催

LGBTの旅行客を呼び込むことができれば、経済効果も見込める。国際旅行におけるゲイ・レズビアンの旅行客が占める割合は約10%に上り、世界のLGBTツーリズムの市場規模は約22兆円にもなるという。LGBTフレンドリーを打ち出す欧米の都市の中には、毎年100億円単位の経済効果を上げているところもあるという。

ホテルや旅館での対応を改めるだけでなく、積極的にLGBTを呼び込もうとする動きもある。福島県裏磐梯のスキーリゾート「GRANDECO(グランデコ)」では昨年、ゲイ男性向けのスキーツアーも開催された。

日本では、同性婚が法律でまだ認められていないこともあり、「同性愛者が迫害されるのではないか」と不安を覚える外国人旅行客もいる。小泉さんは「LGBTフレンドリーであるということをきちんとアピールすれば、LGBT旅行客の取り込みにつながる」と話していた。

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