大手企業で優秀でもベンチャーでは通用しない人 ポイントは「自分の仕事の価値を言語化」できるかどうか

大手企業で優秀でもベンチャーでは通用しない人 ポイントは「自分の仕事の価値を言語化」できるかどうか

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2018年はメルカリの大型上場や、サブスクリプション型Saas企業の上場が相次ぎ、ベンチャー企業界隈の活況を感じた年でした。

そもそもベンチャー企業とはなんなのか。ここでは「世の中の課題を、高い志と新たなサービス・プロダクトで解決する急成長企業」と定義します。

つまり、受託開発や代理店業務の専業会社や、人材派遣や飲食店経営だけを生業としているような企業ではありません。グーグルやアマゾン、アップルに代表されるようなテクノロジーカンパニーであり、日本で言えば前述のメルカリや、名刺管理のSansan、お金の課題を解決するマネーフォワードなどが該当します。(文:エックスエージェント株式会社代表 飯盛崇)

ベンチャーに採用されても期待された能力を発揮できずに退職するケースも

昨今は日本国内でも資金調達環境やクラウドサービスの進化・低価格化等が進んだことで、起業やスタートアップ転職へのハードルが下がり、数多くのスタートアップ・ベンチャー企業が生まれています。

筆者は日本の大企業2社で通算13年ほど勤務したのち、ビジネススクール(MBA)の同期と創業したヘルスケアベンチャーを6年ほど経営していました。また、同世代の友人も次々とIPOに成功していますし、直近では大学の起業支援の団体運営にも携わりながら、ベンチャー企業特化型の人材エージェントや創業支援に従事しています。「大企業」「起業」「人材エージェント」の3軸を経験した実体験を元に、この連載では「ベンチャー転職」に関して役に立つ内容をご紹介していきます。

記念すべき第一回は「大手で優秀でもベンチャーで通用しない人」です。ここでいう大手とは、楽天やDeNAなどのここ10〜20年で大きくなった所謂メガベンチャーではなく、高度経済成長を支えて大きくなったメーカーや銀行や通信会社などを中心とした「旧来型の大企業」をさしています。ただ、私は決して「大手の人がダメでベンチャーこそが正義」と言いたいのではなく、日本の大企業にはたくさんの「優秀な人材」がいることも知っています。

だからこそ大企業の方が将来性のあるベンチャー企業への転職を志された際は積極的に応援していますし、実際に成功事例も沢山作ってきました。一方で、大企業で優秀だった人でも、ベンチャーに採用されない、あるいは採用されたとしても期待された能力、役割を果たせず退職してしまう方々も見てきました。

「何ができますか」→「部長ができます」ではダメ

大企業経験しかない方がベンチャー企業への転職で苦戦する、典型的な理由の一つが「自分の仕事の価値を言語化できない」というものです。

ある人が転職の採用面接で「あなたは当社に入ったら何ができますか」と聞かれ「部長ができます」と答えたという、ウソかホントかわからないような有名な笑い話がありますが、実際にそれに近いことは転職の現場でも起きています。

特にアーリーステージのベンチャー企業には、職務内容や報酬制度も定まっていないことが多く、むしろ創り上げていくフェーズです。日々取り組むべき内容や課題もめまぐるしく変化します。それゆえ、与えられた職務でパフォーマンスを出す人ではなく、自ら仕事を創り出し、実行し、結果を残せる方が求められるのです。

大企業で活躍されてきた方の中には、与えられた権限・職務の中では高い業績を出すことができても、自ら「創り出す」ことに不慣れな方が多く、結果として仕事内容ではなく「役職」や「ポジション」で自分の価値を語りがちです。もっと言えば役職が高い=価値がある。と考えがちなのです。

しかしながら、それはあくまで前職基準での「評価」であり「役職」であるので、そこでの仕事を抽象化し一般化して自身の価値を認識しないことには、次の職場、特にベンチャー企業への転身は難しいでしょう。当然ですが採用面接において自分の「価値」や想いを語れない方はベンチャー企業では敬遠されますし、入社してからも活躍が難しいと言えます。

例えば営業職であれば、単に「〇〇の組織で〇〇という製品を〇〇円売りました。達成率〇〇%でした」ではなく、どんな立場で、どんな想いを持ち仕事に取り組み、どうやって課題を克服し、結果としてどんな成果を挙げたのか。そして、自分だからこそ出来た仕事とは何なのか、くらいは最低限語れる必要があります。

大企業からベンチャーへ飛び込みたい方は、自らの仕事の「価値」を言語化することから始めることをお勧めします。ベンチャー企業への転身に限らず、日々の仕事を推進していく上でも重要なことであり、それを意識しているか否かで、今後のキャリアの幅が大きく変わっていきます。あなたもまずは自身の仕事の棚卸しを行い、価値を言語化していくことからはじめてはいかがでしょうか。

【著者プロフィール】飯盛 崇

エックスエージェント株式会社 代表取締役。1997年に富士通に入社し営業と人事を経験したのち2005年より株式会社リクルートへ。総合企画部、HR営業、人材育成業務に従事。退職後、慶應義塾大学大学院経営管理研究科に進み在学中に3社創業。うち株式会社iCAREではCEO、COOを歴任し創業から6年間事業を牽引。現在はスタートアップ・ベンチャー企業特化型の人材紹介会社を経営し、起業支援団体「メンター三田会」の事務局も務める。経営学修士(MBA)。

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