しつけ目的の体罰「完全NG」に「親子だって激しく衝突することはある」と若新雄純氏が問題提起

しつけ目的の体罰「完全NG」に「親子だって激しく衝突することはある」と若新雄純氏が問題提起

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千葉県野田市の虐待事件を受け、政府与党は19日、児童虐待防止に向け両親など家庭内の体罰を禁止する法改正の検討に入った。今国会で児童虐待防止法に体罰禁止の明記を検討した上で、今後、親が子どもを戒めることを認める民法の「懲戒権」の削除などの見直しも目指している。

2月21日放送の「モーニングクロス」(TOKYO MX)では、慶應義塾大学特任准教授などを務める若新雄純氏がこの改正案に意見した。体罰がいいわけではないが、「しつけと虐待」の線引きが難しいからこそしっかり考えるべきであるとし、「すべてを排除すればそれでいいって事じゃない」と問題提起した。

「一切禁止」にしてしまうより、話し合う必要性

若新氏は政府の検討案に対して、「これは『体罰を完全に NG って方向に持って行こう』ってことですよね。法令の有効性がどこまであるかは別として、こうしておけばどんなケースも親が『しつけでやったんです』っていう言い訳を、一切認めないってことでしょ」として、違和感を語る。

自身も小さい頃には年に数回両親からビンタされていたというが、「それなりに真剣に考え抜いてやっていたことは感じ取っていたし、そんなことよりバカ殿やドリフを見せてくれないとかスーパーファミコン買ってくれなかったとかの方が圧倒的に恨んでる」と笑いを交えつつ、

「大事なことは、だから手をあげてもいいってことじゃなく、親が子どもを育てるという事とどうやって真剣に向き合っていくかって話。すべてを排除すればそれでいいって事じゃない」

と、自らの考えを語った。一律に規制することで、子育てに対する思考停止の危険性があるという指摘だ。

最近は、テレビアニメ「クレヨンしんちゃん」でも、ママがゲンコツ制裁して頭に大きなコブができるシーンが減ってきているとも解説。若新氏は、「この場面を見てもなんとも思わなかったし、親の立場として殴りたくなるのも納得できた」と話していた。

「色んな不完全さを持っている人間が育っていくことに、法制は寄り添えているのか」

さらに若新氏は、「しつけの線引きってどこなんだ?」とフリップで主張を掲げ、線引きの難しさをしっかり考えるべきだと語った。「もちろん虐待をゼロにした方がいいかもしれないけど、この超難しい線引きを、難しいから無くす、何でもかんでも排除して無菌化するのではなく、親同士の『ウチではさすがにこういうことでは一発殴ったことがある』というような話し合いを、まだ僕はやっていくべきだと思う」と主張。どこまでがしつけとして許されるものなのか、もしくは許してはいけないものなのかなどを、みんなでもっと話し合うべきだと語った。

今後条例が変わることで、 「そんなのはもう条例で禁止されてるんだからどんな場合でもビンタは NG よ」となってしてしまうことに、若新氏は疑問を感じているようだ。

「僕ら人間が色んな不完全さを持っている中で、育っていく、生きていくということに、(この改正だと)ちゃんと寄り添えているのかなと思っているので」

若新氏は、しつけの体罰が必要だと言っているのではなく、簡単ではない線引きを、考えることをスグにやめるよりは、線引きが難しいよね、という議論が増えて進化していくほうがいいとしている。「禁止されてるからってことに、逃げない方がいいです」として、「(この改正は)話し合うのやめて決定しようということだから、あんまりよくないと感じる」と苦言を呈していた。

また、番組放送後、キャリコネニュースの取材に若新氏は以下のように語った。

「もちろん、一切の体罰や暴言なしで子育てできれば理想だと思う。でも、そんなにうまくいかないのが人間。親子だって激しく衝突することはある。つい手が出てしまうことがあったなら、そのことを真剣に悩むべき。ちなみに、僕がビンタに代わって親の本気を感じたのは『眼の前で泣かれた』ときくらい。体罰抜きで真剣に育てるというのは、それくらいのことだと思う。そのうえで、無残な虐待がゼロになるような社会を考えていくべきではないか」

現行法の規定は「しつけを理由にした体罰を容認する余地を残している」との指摘があり、根本厚生労働大臣は、19日の閣議後の会見で「法務省ともよく協議しながら検討したい」と述べている。

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