3.11の報道「“忘れない”より教訓の検証を」被災地の企業ら呼びかけ「何のために忘れないのか。本質はどこへ」

3.11の報道「“忘れない”より教訓の検証を」被災地の企業ら呼びかけ「何のために忘れないのか。本質はどこへ」

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3月11日、東日本大震災から8年が経った。災害に遭った人も遭わなかった人も、今日一日は多くのメディアやSNSで、震災関連の情報を見聞きすることだろう。新聞のテレビ欄には「被災」「ふるさと」「わすれない」などの文字が多く並んでいる。

ただ、ある意味で定番化した報道や取り上げられ方に、被災地からは複雑な声が挙がっている。震災時、宮城県牡鹿郡女川町で災害FMとして開局した「オナガワエフエム(旧:女川さいがいFM)」のツイッターは同日、

「震災を忘れない…と、毎年、3.11になると、女川町はじめ被災地は注目されます。感心を持っていただけることはありがたいですが、新聞、テレビ報道はどうしても話題も方向性も偏りがち。現地に暮らす私たちにとっては、3.11はただの一日に過ぎません」

と呟いた。

旧女川さいがいFM「今の町を見て。人間は無力じゃないということも感じてもらえるはず」

同局は、被災地にとっては「毎日が 3.11から続いている日々」と語る。8年経過しても悲しみは変わらないが、「私たちは感動的な話だけでなく、嬉しいことも含めて皆さんに知ってもらいたい」と続ける。

「テレビは、今日一日、震災直後の悲しい光景や津波の映像をまた繰り返し流します。もちろん自然の恐ろしさは知ってほしいし、伝えたい。でも同時に東日本大震災から8年というのなら、今の女川町を見て欲しい。人間は無力じゃない、素晴らしいということも感じてもらえるはず」

女川町で蒲鉾を製造する蒲鉾本舗高政もツイッターで、報道のあり方に苦言を呈している。9日のツイートによると、毎年2月3月には震災関連で多くの取材依頼が来るが、今年は8割以上断ったそうだ。

「まだまだ道半ば系、震災を忘れないで系、困ってます系、こんなはずでは系。『女川で私はそう思って無いです。取材受けてもいいけど、勝手な構成にしないでね。ナレーションでどうにかするのも無』大体いなくなる」

10日には報道関係者向けに「『忘れない』よりも、災害の教訓とそれがシステム構築やインフラ整備に繋がっているか、その検証をしませんか?」と提案している。「災害が襲い、パニックになり、そこで機能するものが無ければ、あなた方が『忘れない』と言わせた人も亡くなり影響が長期化しますよ」と、震災が悲劇や復活の物語として取り上げられることの多い現状に問題を感じているようだ。

視聴者に対しても「まず自分ならどうするのか考えてほしい」

また、視聴者にも「忘れないと言うだけではドラマや映画の感想と同じ」と釘を刺す。食べて応援も被災地にお金を落とすこともありがたく思っているとしながらも、

「まずは『自分ならどうする』のか考えてほしい。自分の命を守れない人は他人を救う事なんて出来ない。何の為に忘れないのか。その本質はどこへ」

と呼びかけた。11日には、同日が誕生日・結婚記念日などに当たる人に向けて「おめでとうございます!」とメッセージを送り、「3.11と3月11日は違うんです。周りの方もおめでとう!と言ってあげてください」と綴った。

震災では、1万5897人が亡くなった。行方不明者は8年経った今でも、2533人に上っている。

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