氷河期世代の雇用支援、有効な策はあるのか 助成金利用は予算に対して1割未満

氷河期世代の雇用支援、有効な策はあるのか 助成金利用は予算に対して1割未満

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内閣府の経済財政諮問会議で氷河期世代の支援策が議論されている。4月10日の会議では民間議員から、仕事を求める氷河期世代と人手が欲しい地方の企業をマッチングさせ、氷河期世代の移住を促進する案が出された。ネットでは「むりやりねじ込むつもりか」「地方に追いやって目に入らないようにしたところでなんの解決にもなっていない」と反発も強い。

政府はこれまでも企業への助成金等で氷河期世代の就職支援を行ってきた。しかし、利用は伸び悩み、効果も今ひとつのようだ。

「長期不安定雇用者」という名称や条件の厳しさがネックになった?

厚労省は2017年、氷河期世代の雇用安定化を目的に、「長期不安定雇用者雇用開発コース」という助成金制度を設けた。失業状態で正社員雇用を希望し、雇入れ日に満35歳以上60歳未満で、過去10年間に5回以上離職または転職を繰り返している人が対象だ。雇用した大企業には総額50万円、中小企業には総額60万円が支給されるものだった。

2017年は5億3495万円の予算を組んだが、実際の執行額は765万円、支給件数は27件と低い。次年度は予算を10億7860万円に倍増したものの、2018年12月末までの執行額は約1億2800万円、件数も453件だった。

担当者は、「長期不安定雇用者」という名称のイメージの悪さや「過去10年間に5回以上の離職・転職」という条件の厳しさが、申請数の低迷につながったと考えている。コースは今年4月から「安定雇用実現コース」に名前が変わった。利用条件も

「正規雇用労働者として雇用された期間を通算した期間が1年以下であり、雇入れ日の前日から起算して過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことがない人」

に緩和された。イメージとしては就職氷河期に高校、大学を卒業して正規の職に就けず、フリーターや派遣として働いていたら35歳を超えていた人、だろうか。

ただ、助成金の額は変わっておらず、利用率がどこまで上昇するかは不明だ。経済財政諮問会議の話し合いを受け、今後、助成金の増額や支援期間の延長を考えているか聞いたが、担当者は「まずは今年の要件変更を周知してから考えたい」とのことだった。

生活困窮者の自立支援と就職支援の窓口を一本化 モデル事業で効果測る

地方への移住関連では、厚労省は今年度、中途採用等支援助成金「UIJターンコース」を新設した。自治体から移住支援金の支給を受けた労働者を、指定地域の事業所が雇い入れた際に助成の対象となる。担当者によるとUターンやIターンを促進するための助成金はこれが初めてだという。ただ、この助成金は氷河期世代だけを対象としたものではない。

企業が中途採用で望むのは一般的に、職業経験の豊かな人材だ。マネジメント経験もあればさらに望ましい。氷河期世代が移住と中途採用を同時に叶えるのは、なかなか難しそうだ。

求職者向けには今春から、全国12か所の「地域若者サポートステーション」(以下サポステ)で新たなモデル事業が始まった。サポステではこれまで15歳〜39歳までの若年層の職業的自立を支援してきたが、選定された12か所のサポステでは、今年度と来年度、支援対象を40代半ばまでに広げる。さらに、自治体の生活困窮者自立支援とサポステを一体化させ、ワンストップで必要な支援・プログラムを提供するとしている。

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