働き方改革って本当に必要なの? 「長時間労働=成果」という考え方を変えなければいけない理由

働き方改革って本当に必要なの? 「長時間労働=成果」という考え方を変えなければいけない理由

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最近、私が実施している管理職向け研修で働き方改革に関する声がよく出ます。しかし、働き方改革によって「自分の残業がすごい増えた」「土日出勤が増えた」「職場のコミュニケーションが減った」というネガティブな声が目立ちます。

管理職の皆様にとっては、部下に残業をさせにくい環境から、本来自分がやる仕事ではないことを巻き取らざる負えないといった状況があるようです。

「本当に働き方改革を進めなくてはいけないの?」
「時短と言った意味合いからすると体のいいコストカットでは?」

なんて思っている人もいるようですが、今回は働き方改革が必要とされる背景についてお伝えしてまいりましょう。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

従来の日本型サラリーマンの働き方で働ける人が限られてしまう

働き方改革の必要性が叫ばれている根本には、日本の超少子高齢化問題があります。図は内閣府のホームぺージに掲載されている「将来推計人口でみる50年後の日本」のデータです。

2010年前後を境に、人口減少が始まったようです。ここで問題になってくるのは労働力人口の減少です。

図で示している通り、全体における高齢者(65歳以上)の割合は1960年の5.7%から2010年の23%へ、そして2060年には39.9%といった数字になっていきます。一方20歳から64歳の人口は1960年の5109万人から2010年には7497万人に。そして2060年には4105万人に減少するとされています。今後は働ける人の数が、どんどん減っていくわけです。

この労働力減少時代に向けて進められているのが、まさに"一億総活躍社会の実現"です。これまで仕事になかなか就けずに家に入られていた人々が活躍できる社会を作り、労働力人口の減少に対応していこうといったものです。ただ、ここには人が家を出て社会生活を営み続けられる社会を作ることによって、経済が回る(お金が回る)といった期待も大きいようです。

一億総活躍社会の実現のためには女性、障害者、がん等の病気の人、LGBTの人、高齢者の人らが仕事を通して自分らしいキャリアを歩み続けられる社会を作っていかなければなりません。しかし、これまでの日本社会にみられる「長時間労働=成果」といった環境では、様々な家庭環境や心身的な状況を持った方々が働き続けることは難しいことが予想されます。そこで働き方改革をすすめていく必要があるわけです。

ダイバーシティ時代における管理職の憂鬱

働き方改革が進められる中で、様々な事情を持った方々が組織で働くようになってきます。いわゆるダイバーシティ時代の到来です。時短で働く方、テレワークをする方、こまめな休憩が必要な方、また労働力人口の減少を賄うために採用された外国人等と、従業員の多様化が進んでいきます。

組織が多様化することによって、多様化する社会のニーズに対応できるといったメリットもありますが、管理職の皆さんにとっては、マネジメントがどんどん難しくなるといったことになります。これまでは自分と同じ男性で同じような考え方を持った人をマネジメントしていればよかったのですが、これからは様々な家庭環境・心身的状況をもった人や自分とは考え方の違う人をマネジメントしていかなければなりません。自分とは容姿も仕事への思いも違う方々をマネジメントしていくことは非常に難しいのが現実です。

このような環境の中で管理職に求められるのは生産性の向上です。一人ひとりが限られた時間や状況の中で、最大限の成果を出し続けることが出来るマネジメントをしていかなければなりません。生産性向上のためには働きやすい環境を作ること以上に、一人ひとりのモチベーション向上に努めていく必要があります。モチベーションマネジメントがこれからの管理職には求められるのです。

【著者プロフィール】田岡 英明

働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント

1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。

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