阪急の広告「月30万円だけど仕事楽しい」が炎上した背景 「生き甲斐のないくらい死ぬほど働いて20万なんや」

阪急の広告「月30万円だけど仕事楽しい」が炎上した背景 「生き甲斐のないくらい死ぬほど働いて20万なんや」

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阪急電鉄の車内に掲示された中吊り広告がネットで炎上し、中止に追い込まれた。研究者や経営者などの言葉を集めた本「はたらく言葉たち」(パラドックス)から紹介したものだが、特にやり玉に上がったのが、

「毎月50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか。研究機関 研究者/80代」
「私たちの目的は、お金を集めることじゃない。地球上で、いちばんたくさんのありがとうを集めることだ。外食チェーン 経営者/40代」

といった言葉だ。

ネット上では匿名掲示板にいくつもスレッドが立ち、5ちゃんねるでは

「30万貰って激務に耐えるか、15万貰って毎月手持ちの残金に怯える生活を送るかじゃないの?」

など、所得格差や経営者側の都合のいい"やりがい搾取"を想起する人が多く、反発を招いた。(文:okei)

「月にこの半分も稼げてない人間が多数だというのに」「30万貰えりゃそれだけで人生楽しいでしょ」

特に批判が多かったのが「月給50万円か30万円か」という部分だ。月給30万円といえば、ボーナス2ヶ月分が2回だと、年収480万円になる(ボーナスなしで360万円)。国税局が2018年9月に発表した「民間給与実態統計調査」によれば、1人当たりの平均年収は 432 万円なので、480万円は十分いい部類に入る。

また、厚労省の賃金構造基本統計調査(2018年)によると、平均給与が30万円を超えるのは男性だと30代後半になってから。女性の場合は、平均が30万円を超えることはない。

しかも今の若い世代は、高度経済成長期のようにこれから急激に上がる見込みは薄い。一方、「80代の研究者」といえば名誉教授レベルだ。収入の違いは当然のことながら、満員電車で住む世界の違いを見せつけられてイラっとする気持ちはわかる。

5ちゃんねるには、

「生き甲斐のないくらい死ぬほど働いて20万なんや…」
「月にこの半分も稼げてない人間が多数だというのに」

といった嘆きや批判が相次いだ。「(30万円あれば)地方では勝ち組」といった声もあり、地域差を無視できない人たちもいた。

男女差も依然大きいのが現状だ。ガールズちゃんねるには、「生き甲斐のない生活してる手取り18万の私はどうしたらいいですか」のほか、

「月30万円なら満足ですが」
「30万もらえば十分やろがい 50万とか夢の夢だわ」
「30万貰えりゃそれだけで人生楽しいでしょ。50万なら尚更よ。生き甲斐なしなわけがない」

など、多くを望まない声が目立った。彼女たちがこう語るのは、欲がないからではない。現状が低いため、「30万円」でもやけに高く見えてしまうのだ。

「皆お金がなくて殺伐としてる もう終わりだ」

一方で、こうした批判に異を唱える人もいる。5ちゃんねるでは「こんなのを問題視する方がおかしい」をはじめ、

「額面50なんて別に高給じゃないだろ。いつから日本はそんな貧しい国になったのか」
「皆お金がなくて殺伐としてる もう終わりだ」

と嘆くコメントもあった。確かに月収50万円は年収800万円ほどで、超高額所得者とは言い難いかもしれない。

ただ、先日金融庁が発表した「公的年金の他に2000万円貯蓄が必要」についても言えることだが、まったく悪気無く、自分の感覚で(または一般に合わせたつもりで)金額を発信すると、大やけどに繋がるのがいまの時代だ。世代間や男女の格差がある以上、こうした問題は常に起こるのだろう。

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