田舎にありがちな「狭くて濃厚なコミュニティ」は本当に悪いこと? メリットについても考えてみる

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僕は3歳ぐらいまでは、宮崎の椎葉村という山奥で暮らしていた。この村は平家の落人伝説があるとされている。おぼろげな記憶だが、店は個人商店しかなくてバスも村の入り口に1日3本ぐらいしか来ない。娯楽と言えば野山を駆け回るぐらいで、僕はしょっちゅう花の蜜を吸っていた。

すぐに親が離婚し、そこから同じ宮崎の延岡市に移住したが、ここも多少マシという程度の、やはり田舎であった。そういう田舎で暮らした頃の話を都会の人たちにすると「いいなぁ、そういうの憧れる」と言われる。

だけど同じような地方出身者同士でこの手の話をすると、大体最後の方には「俺たち、田舎に育って損したよな」という話になるのだ。そう、田舎者にとっての"田舎あるある"とは、田舎の悪口を披露する時間なのである。(文:松本ミゾレ)

「いい年したオッサンが自転車通勤していると変な人扱いされる」という証言も

先日、ガールズちゃんねるで最新のガールズトレンドを身につけようとしていると「【やっぱり言いたい】田舎ならではのあるある」というトピックが目についた。

このトピックを立てた人物はその例として、「若いのにやたら老けている人がそこそこいる」を挙げている。30代ぐらいなのに50代に見える人が多いというのだ。そしてこの理由について「タバコ吸ってたり、服装にこだわらないのが原因」と主張している。

まあ、田舎って確かに洗練されてない人ばかりなので、こういう人は少なくない。「お前それいつのだよ」と言いたくなるボロボロのジャージを着用して、子供の頃からずっと同じ床屋で頭を整えているメタボのおじさんとか結構いるし。しかもそういうおじさんが、僕の年下だったりする。

変化を拒むと人は歪な老け方をするのかもしれない。そういう人が田舎にはそこそこいるのだ。で、せっかくなのでこのトピックに寄せられている、いろいろな田舎あるあるを紹介していこうと思う。

「いい年したオッサンが自家用車持っていなくて自転車通勤してると、ちょっと変わった人、ちょっと足りない人扱いされる。都会だと自家用車での通勤禁止な職場が多いから、ギャップがすごかったわ」
「プライバシーなんてものは無いに等しい」
「同窓会開くと、いつまでも中1の体育祭で誰が応援団長しただの、中2で誰それが〇〇中の××とタイマンしてボコボコにしただの、中3の修学旅行で誰それがバスの中で吐いただのの話をする。(それだけ、大人になってからの仕事上の武勇伝がないってこと)」
「ニコニコして挨拶したと思ったら、後ろ向いて悪口言い出す。1人や2人じゃない」

田舎で育った僕が「あるある」って賛同しちゃったものばかりになるけど、こういうことが田舎ではマジで当たり前である。

田舎は監視社会! だけど悪い部分だけじゃない…はず

田舎あるあるを挙げるとなると、どうしても辛気臭いものばかりが頭に浮かんでしまう。しかし、田舎だって悪いことばかりではない。

プライバシーがないのは問題だが、その代わりに近所から野菜だのお菓子だのの差し入れがもらえることも多い。冠婚葬祭のときには近所の人たちが無償で手伝ってくれることもあった(今はもうそういう風潮がない地域ばかりかも)。

そして何より、子供の世界に目を向けると、都会ほど陰惨ないじめに発展しない。田舎は子供たちが狭いコミュニティで四六時中遊ぶしかないので、ちょっとしたガキ大将とその子分というような力関係こそあれど、いじめに至ることはそう多くないのだ。

しかも土地柄、小中一貫で同じ学校に進むことも多く、9年ほど仲良くしなきゃならないので、子供たちも「喧嘩とかいじめはバカらしい」と考えるようになる。だから非常に、子供の世界に限定すれば平和で穏便に暮らせるケースが多いのだ。

それこそ僕の場合もそうだった。オタクや問題児、片親の子、障害のある子などが同じクラスでワイワイやってて、あれはもう奇跡の多様性を現実にしていたと後になって思うようになった。いじめがあるにしても、大体転校生が標的になるし(と考えると、やっぱり田舎は子供だって陰湿で排他的なのか)。

そう、田舎にも悪くない面はあるのだ。だけど、それ以上にデメリットが多すぎる。いまさらあっちには帰れないなぁ……。

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