コロナ禍でも信じられないほどの賑わい。首都圏最強の観光地「鎌倉」に行ってきた

鎌倉に訪れた観光客

写真:昼間たかし

先日、取材で鎌倉駅前に行って驚いた。平日だというのに信じられないほどの観光客がいたからだ。一昨年の春に訪れたときには、閑散としていたのに。コロナ禍にも、みんなもう慣れてしまったのか……。(取材・文:昼間たかし)

■ コロナ禍でも700万人以上が来る鎌倉

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国の観光地は大打撃を受けた。鎌倉市もその一つだ。統計資料によれば2019年には1902万1795人だった観光客数は前年度比38.2%の737万9602人まで激減している。2021年度の統計はまだ発表されていないが、2019年の水準までは到底回復していないだろう。

ただ、一方でこうも考えられる。コロナ禍で町から人の姿が消えた2020年ですら、鎌倉市には700万人以上の観光客が訪れているのである。一日あたりにすると2万人あまりが来たわけだ。

コロナ禍前の2019年には埼玉県川越市が年間の観光客数が700万人を突破したことが注目されたが、これは4割以上を外国人観光客が占めていた。外国からの観光客がほぼ途絶えた中、コロナ禍でも700万人超の観光客を維持出来る鎌倉の底力にはみるべきものがある。

マスクを付けられている

写真:昼間たかし

鎌倉の強みは、豊富な自然・歴史的観光スポットと、首都圏からのアクセスの良さが両立しているところだろう。東京駅からは横須賀線で約1時間。東京近郊で暮らす人たちにとって「安近短」の要素をもっとも満たした観光地といえる。泊まりがけや飛行機・新幹線を躊躇する人でも、通勤列車でスッと行ける鎌倉なら心理的ハードルは低い。

つまり、「つかの間、都心の喧騒を忘れて、コロナ禍で溜まったストレスを解消したい」と思った人たちが、真っ先に鎌倉を思い浮かべるのは、不思議でもなんでもないのだ。

■ 大河ドラマのベスト観光地

さらに今年は、NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の舞台となっていることも、人気に拍車をかけている。

ドラマを見て舞台をちょっと訪ねてみたいと思った東京近郊の人たちが訪れるのは、ほとんどが鎌倉までだろう。その理由は単純で、他の場所に行くのが大変すぎるからだ。

大河ドラマ館

写真:昼間たかし

現在、伊豆箱根鉄道韮山駅にはドラマに関連した施設「大河ドラマ館」がオープンしているが、ここに行くとなると車か新幹線からのローカル線。のどかな風景を歩きながら、北条氏ゆかりの場所を訪ねて歴史を感じるのは楽しいが、「いわゆる観光地」のような要素はほとんどない場所だ。

到達困難度の高さでいえば、神奈川県湯河原町の「しとどの窟(土肥椙山巌窟)」がヤバい。ここは、石橋山の戦いで平家に敗れた源頼朝が身を隠したといわれる場所。以前あったバス路線も廃止され、現在は車がなければ、山道を徒歩1時間以上かけて到達するしかなくなった。

ほか、歴史を感じることができる史跡はいくつもあるのだけれど、いずれも離れた土地に点在しているので、どこも車がほぼ必須状態なのである。

そういった不便さが、鎌倉には一切ない。ちょっと疲れたらカフェや飲食店が山程ある。

既に鎌倉では大河ドラマによる観光客の需要をあてこんで様々な動きが見られる。鎌倉歴史文化交流館では「北条氏展」を開催しているが、やっぱり「観光地らしさ」を感じるのは土産物だ。

大河関連グッズ画像

写真:昼間たかし

土産物屋には大河ドラマに関連して、今しか売っていないであろうアイテムが多数。パッケージに「北条義時」とか「鎌倉殿の13人」と書いただけのお菓子が複数販売されているのである。こんな、恥ずかしげもなく売られているベタベタな土産物を、なんだか買わせてしまうオーラを放っている鎌倉は、やっぱり生粋の「観光地」なのだ。

大河グッズ

写真:昼間たかし

ちょっと江ノ電に乗れば、稲村ガ崎や七里ヶ浜、江ノ島などもすぐそこ。ボーッと海を眺めているだけでも圧倒的に気分転換ができてしまう。

まあ、そうやってリラックスしていたら、キャリコネの編集者から「あの記事の写真はまだか」とかいう無粋な連絡が来たわけだが……。やれやれ。本当につかの間の休息だったな。

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