「バチェロレッテ」を観たら就活とそっくりだった。そして自分の就活時代を思い出してしまった……。

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今年の夏にAmazon Prime Videoで配信される「バチェロレッテ シーズン2」。見た目もよくて、財力も能力もある「完璧な独身女性」のバチェロレッテが結婚相手を探す大人気シリーズで、放映予告直後には「誰が2代目は誰か?」の予想が始まるほど、期待感が高まっている。

かくいう筆者も、次が楽しみすぎてシーズン1をもう一度見返した……のだが、そこで、ふと気づいてしまった。これって、なんだか「就活みたい」じゃない?(文:HOKU)

■ どちらも「基準」は明示されない

まず新卒採用でもバチェロレッテでも、少ない枠に大量の志願者が押し寄せるという構図がある。

そのため、最初の人数が多いうちは「印象が良くない・合わない」人がふるい落とされていくが、ある程度人数が絞られ、誰がどんな人かがわかってくると、今度は「一緒に過ごしたい」人から選ばれていく感じになる。実際、バチェロレッテでは最後の5人が残るまでは「落とす理由」が、候補者が5人に絞られて以降は「残す理由」が重要になっていた。

また、どちらも次に進める「基準」は明示されない。限られた時間・少ないチャンスの中で、どんな話をすべきなのか。参加者は手探りで考え、自分なりの表現で自己アピールをするしかない。

そうやってみていくと、「バチェロレッテ」には、新卒採用を勝ち抜くTipsが詰まっていると思った。今回はそれを紹介していきたい。

■ Tips(1) 適度で簡潔な「自己開示」

このシリーズで「次のステージ」に進むための唯一の方法は、バチェロレッテにOKをもらう(バラを手渡してもらう)こと。番組でサクッとバラをもらえた人の手法は、就活でも参考になるはずだ。

シーズン1でバラを最初に受け取った料理研究家の北原さんは、カクテルパーティーの際、ニコニコ楽しそうにしつつも、「自転車で上京する」というガッツのあるエピソードを話したり、「特別な人にしか作らないメニュー」を一部だけ公開したりと、「この人をもっと知りたい」「この人はいろいろな面があるに違いない」と思わせる工夫が多かった。

相手に自分を知ってもらって、適度に「もっと話を聞きたい」と思わせる。そのバランスが一番巧かったのが北原さんだったのではないだろうか。就活でも、そう思ってもらえればチャンスがもらえる確率はグンと高まる。

こんなに偉そうに語っているが、私の最・苦手分野である。自己開示するなら100%、いやいや120%開示するぞ!という勢いが祟って、一度面接官に「ねぇ、何の話?」と言われたことがある。みなさんにはぜひ同じ轍を踏まないでいただきたい。

■ Tips(2)「話しやすい人」と思わせる

画家の杉田さんは、かなり初期からバチェロレッテに「杉ちゃん」とあだ名で呼ばれることに成功していた。これは、参加者の中で特に気軽に話しやすい雰囲気を、彼が作り出すことに成功していたからだろう。自信満々な参加者たちに囲まれる中、彼は自身の弱点もあえて隠さないことで親しみやすさを演出し、「ライバルにすら応援されてしまう」という、特徴的なポジションを確保していた。

このまま就活で応用するのは高度すぎるテクニックかもしれない。でも、自分なりの方法でいいので、肩肘張らず「フレンドリーで話しやすい雰囲気」を作り出せたら、かなりの人柄アピールになるだろう。

ちなみに私はグループ面接に早めに行って、毎回アホな雑談をしていた。おかげさまでグループ面接は毎回ほんわかした雰囲気で挑むことができていたように思う。功を奏していたかはよくわからないが、面接に行くたびに友達が増えるので自分としても楽しかった。

■ Tips(3)いったん落として持ち上げる。

歌手のローズは、ブラジル系だという理由でいじめを受けた経験をバネに「歌手になりたい」「表舞台に立ちたい」という気持ちを育んだというエピソードを語った。

過去にした辛い経験は、それだけではアピールにならない。しかし、それを「乗り越えた」という話にうまくつなげられれば、一転してインパクトのある、ポジティブな話になるだろう。

こういった単純ではない話を、短い時間で簡潔に伝えるのは非常に難しいはずだ。しかし、ローズの語り口はとても自然で、「他人に伝えるときには、こんな風に語れたらベストだろうな」と思える内容だった。ぜひ、参考にしてみていただきたい。

私は失敗談について質問された際、面白おかしい失敗談のまま話したので、面接官にひとしきり笑われた後「あ、そう」と言われた。就活はエピソードトーク練習場ではないようだ。

■ 「志望動機」にツッコミが入った例

次に、シーズン1初期の伝説の場面、イベントオーガナイザーの藤井さんとバチェロレッテの1on1デートについても触れておきたい。

この「デート」で目立ったのが、バチェロレッテが矢継ぎ早に藤井さんを問い詰めていったシーン。バチェロレッテがこんな風に振る舞ったのは、おそらく「この人、本当に私のこと好きなの?」と、相手に疑問を持っていたからだろう。就活風に言えば「志望動機」にツッコミが入ったわけだ。

そもそも藤井さんは、最初のカクテルパーティーの時に「説教されたのは驚きましたね」とチクリと皮肉を言ってみたり、1on1の時にも「こういう気の強い人は避けてきたんですよね」と語るなど、この人はバチェロレッテの考え方に文句がありそうだな、というセリフが目立った。

もちろん、相手のすべてを肯定しなければならないわけではないが、日常で衝突が多すぎると結婚生活は続かない。バチェロレッテが彼と1on1をしたのは、落とす前の最終確認のように見えた。

就活でもこのあたりは同じで、その企業へのネガティブな評価は、知らぬ間に態度に出てしまいがちだ。「好きじゃない」を表に出さないようにするのは難しい。

ちなみに私が受けた面接で、ちょうど藤井さんのようになってしまったものがあった。面接の前に食事に連れて行かれて、社員の方に価値観や将来の夢について根掘り葉掘り聞かれた。その後、役員の方と面接をした。どうやらその食事の席での会話内容が役員の元へと流されていたようで、初めから「落とすつもり」満々の面接内容だった。私も結局あいまいに答えて、うまく自分の考えを披露するチャンスを手にできなかった。藤井さんが私にそのまま重なって見えて辛くなった。

最初から「嫌い」な企業にはエントリーしない。まずはこれが一番大事だ。問題は、基本的に大好きだけど「ここは不満」というようなポイントがあるときだろう。それを相手に伝えるべきかどうか、伝え方をどうすべきかは、きちんと考えて発言したほうがよさそうだ。

■ 「自己アピール」が弱かった例

ところで、藤井さんよりも長く残ったものの、結局1on1デートのチャンスをもらえなかったのが榿澤さんだ。

榿澤さんの最大の敗因は、自身の魅力を伝えそこねたことだろう。彼はバチェロレッテを好きな気持ちをしっかりと語っていたが、数多くの人から告白されるバチェロレッテにとって、それだけだと特別感がなかったのだろう。

こちらも就活風に言えば、志望動機はしっかり伝わったものの、「自己アピールの印象が薄かった」というパターンだろう。志望者は誰もが「御社が大好き」「御社に入りたい」と口にする。そうなると実際に差がつくのは「自分がどんな人間か」という部分だ。そこに興味を持ってもらうことができないと、なかなか次のステップには進めない。

就活はつまるところ「こいつを雇ったら、我が社の得になりそうだ」と思ってもらえるかの勝負だが、第一歩として自分に興味を持ってもらわないと、そもそも話が始まらない。そして、短時間でそうするためには、特技や人柄、考え方などを、エピソードを交えながら簡潔に言語化することがほぼ必須となっている。

バチェロレッテでも、これができていた人たちは次に進み、できなかった人たちは落とされていった。逆に、序盤では、これ以外のことは何も求められていなかったとすら思う。「志望動機」と「自己アピール」というわりとシンプルなことでも、いざ本番でちゃんと説明しようとすると、これが意外と難しいということだろう。

もちろん、就職や恋愛が成功に至るかどうかは、最終的にはフィーリングとか、価値観とか、なんだか曖昧なポイントで決まったりもする。

しかし、それぞれ魅力はありそうなのに、それを相手に伝えきれないまま脱落していくバチェロレッテの参加者たちを見ていると、自分の就活時代もこんな感じだったんだろうな、と今更ながらに思い至るのであった。もしもあの時、チャンスをものにできていたら?そう思うとちょっぴりふわふわした気持ちになる。まぁ、過去は変えられないんですけどね。

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