東大の売店まで「土用の丑の日」の弁当(198円)を買いに行ってきた。

確かに売っていた(写真:筆者)

土用の丑の日といえば、食べたくなるのがアレである。7月23日の土用の丑の日をひかえて、今はスーパーの惣菜コーナーでも、コンビニでも、どこもかしこもアレばかりだが最近は「高い!!」と叫びそうになるぐらいの値段が付いているのが玉に瑕だ。しかし、東京大学の生協に行けば、アレが198円で売っているという話をネットで発見。さっそく行ってみることにした。(取材・文:昼間たかし)

■ 198円。たしかに「土用のアレ」は売っていた

写真:筆者

地下鉄本郷三丁目から徒歩10分あまり。やってきたのは、安田講堂裏の東大生協第二購買部。すでに夏休みも始まりキャンパスに人の数は少ない。

しかし訪れたときにはすでに昼下がり、完売しているかもと思ったが、かろうじて3つ残っていた。いったい、昼にはどれだけの人が押し寄せたのか……。

さて、これが筆者のゲットした「新発売 土用のたれめし」である。土用の丑の日に誰もが食べたがる、甘辛いタレのかかっている銀シャリだ。これが198円で買えるのである。暗いニュースばかり続く令和の世に、こんな嬉しいことがあるだろうか。

駆け足でレジに持っていく。レジのお姉さんはこちらがいわなくても、箸をつけてくれた。なんて丁寧な人だろう……さすが東大。そこで、少し訊ねてみた。

——これ、今日はたくさん売れているのですか?

「ええ、まあ……」

——やっぱり、みんな慌てて買いに来たのでしょうねえ。

「そうですねえ……」

——販売は今日だけですか?

「この時期だけですねえ……」

なぜか言葉は少ない。そうだろう。これが198円なんて世間に広まれば、東京の津々浦々から人が押し寄せるのは目に見えている。

お茶を買うのも忘れて店を飛び出し、弁当を使うところを求めて三四郎池の畔へ。いよいよ、対面だ。

写真:筆者

大急ぎで飯を掴み、口にほおばり喉に流し込む……
タレの味。
もう一口……
タレの味。
もう一口……
タレの味。

美味かった。本当に蒲焼きのタレの味の染みたご飯は美味かった。うなぎは影も形も見えなかったが。

完食して、満腹感を覚えたと同時に、急に寂しさがこみ上げてきた。なぜ、こんなものを売ろうと思ったのだろう。

最新の学生生活実態調査では、東大生の親の世帯収入は「1150万円以上」が最多のようだ。東大生たちは、どんな気分でこの弁当を買ったのか。そして、裕福な家庭に育った学生たちは、どんな目でこんな弁当を買っていく者を見ていたのか……。

帰り道、人の少ないキャンパスの中では、蝉が喧しく鳴いていた。蝉たちにすら嘲笑われているような気がして、とめどもなく涙が流れた。

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