北大入試の英語が話題――日仏の労働環境を比較し日本の長所を書く難問「非常に書きにくかったはず」と予備校困惑

北海道大学の入試の英語、日仏の労働環境を比較し日本の長所を書く"難問"に予備校困惑

記事まとめ

  • 日仏の労働環境を比べ日本の長所を書く"難問"が、北海道大学の入試の英語で出題された
  • ネットでは「どこに長所が書いてあるんですか」などと回答に悩む声が上がる
  • 河合塾や駿台予備学校などの回答例は、長所をどう述べるか苦戦した様子がうかがえる

北大入試の英語が話題――日仏の労働環境を比較し日本の長所を書く難問「非常に書きにくかったはず」と予備校困惑

北大入試の英語が話題――日仏の労働環境を比較し日本の長所を書く難問「非常に書きにくかったはず」と予備校困惑

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長時間の残業をはじめ、日本の労働環境がひどいことは、皆さんご存じの通りだろう。長い夏休みを取れるヨーロッパのワークスタイルを聞くにつけ羨ましさが募る。

日本の労働環境の長所を挙げよと問われても困ってしまうレベルだが、まさに、そんな超難問が2月25・26日に行われた北海道大学の前期試験の英語で出題されたという。

「どこに長所が書いてあるんだ」「nothingと書くのが正解では」

出されたのは、長文読解とそれに対する自由英作文だ。長文の内容は、東京の携帯電話会社で15年働く筆者が、自身とフランス在住の友人の労働環境を比較するというものだった。

筆者の勤める会社は比較的安定しており、給料も年齢の割に高い。しかし、通勤では混んだ電車に2時間乗る必要があり、朝早くから夜遅く、時には深夜まで働く。休日は日曜日のみで、住まいは郊外の狭いアパート。長期休暇は1年に1回、8月に6日間ほど取ることができ、実家のある富山への帰省に充てるという。

対してフランスの友人は、パリ東部の郵便局に9時から16時まで7時間勤務する。16時20分には広々としたアパートに自転車で帰り、1か月間の夏休みはフランスやスイスなどの隣国でバカンスを楽しむ。

仕事にやりがいを感じている点は両者とも共通だ。以上のような内容を踏まえ、

"What are the advantages and disadvantages of the Japanese style work-life balance? Write a 70-100 word paragraph, providing specific reasons to support your opinion"
(編集部訳:日本のワークライフバランスの長所と短所はなんですか?理由も含め、70語から100語で述べてください)

との質問に答えなければならないのだ。ネットでは問題を読んだ人たちから

「『nothing』と一言書けば満点だと思うんですけど」
「長所かあ... 法律を無視できるってどうさ?」
「どこに長所が書いてあるんですか・・・」

と、回答に悩む声が上がる。現役北大生と見られる人からは「私が受験生だったら日本の労働スタイルを呪いながら爆死しそう」とのコメントも寄せられていた。

予備校の模範解答もブラック「日本のサラリーマンは長時間労働に満足」

国立大学の入試は、予備校が解答速報として解答例を掲載する慣例だ。各予備校の回答例を見てみると、長所をどう述べるか苦戦した様子がうかがえる。河合塾の回答例では次の部分が長所となっていた。

"The author in the passage has a secure job and a good salary, and this helps him to feel confident that he can provide a lot for his family"
(編集部訳:安定した仕事と良い給料をもらい、家族にたくさんのものを与えられることは、筆者の自信を手助けするものとなります)

しかし、冷静に考えればこれをワークライフバランスの長所と言っていいのか疑問もある。家族のために働いてはいるが、本人が幸せかどうかは不明だ。

さらに

"there are many Japanese"salarymen"who enjoy their jobs, just as the author does, so these people may actually be satisfied with working such long hours"
(編集部訳:筆者と同じように日本のサラリーマンは仕事を楽しんでいるので、長時間労働にも満足しているかもしれません)

と続く。仕事を楽しんでいるから長時間労働もいとわないと言うのは、やりがいの搾取ではないのだろうか。もはや回答すらブラックである。

駿台予備学校も一応模範解答は出しているが、解説で「特に『利点』は非常に書きにくかったはず」と書いている。

長文の最後は、筆者のこんな自問で締めくくられる。

"Am I working to live, or just living to work?"
(編集部訳:私は生きるために働いているのか、それとも、働くために生きているのか)

受験生にとってはもちろん、働く人たちにとっても最後まで難しい問題だったようだ。

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