「治る見込みのない患者に胃ろうは必要?」――医師の意見割れる、「死んでもいい人を選別できない」という声も

「治る見込みのない患者に胃ろうは必要?」――医師の意見割れる、「死んでもいい人を選別できない」という声も

「治る見込みのない患者に胃ろうは必要?」――医師の意見割れる、「死んでもいい人を選別できない」という声もの画像

口から食べ物を食べられなくなった人が、直接胃に空けた穴から水分や栄養を取る「胃ろう」。現在、全国で約40万人に施されているという。胃ろうを行うかどうか、どれくらい続けるのか、患者本人や家族が判断に苦しむことも多い。

10万人以上の医師が参加するコミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」が、サイトを利用している医師に

「治る見込みのない患者さんに永久胃ろうを造設することは、必要な医療だと思いますか?」

と聞いたところ、有効回答4026のうち68.9%が「一部の患者には必要だと思う」、18.1%が「不必要だと思う」と回答した。「わからない」と答えた人が9.9%で、「必要だと思う」は3.1%と最も少なかった。

胃ろうは「多数の人にとって本人に苦痛を与える」

その理由を聞いたところ、「一部の患者には必要だと思う」と回答した医師からは次のような声が出ていた。

「口から食べられないけど、頭がしっかりしていて元気な人だったら必要」(40代 一般内科)
「若い神経疾患とか、頚髄(けいずい)損傷の患者さんには必要だと思います。しかし、高齢で脳梗塞後、意識なしなど、胃瘻の意味が分からない人に造設することは、仮に家族の希望があったとしてもすべきではないと考えています」(30代 一般内科)

若い患者や意識のはっきりした患者には必要だと考える医師が多いようだ。「患者さんとご家族の希望があれば必要」(50代 整形外科・スポーツ医学)と治療を受ける側の意思を尊重するという医師もいた。

また「ごく一部には必要」としながらも、「多数の人にとって本人に苦痛を与える」(30代、一般内科)と指摘する医師も。胃ろうを行うと、逆流を起こしたり、嘔吐や下痢を起こしたりする患者もいるという。そうした苦痛に耐えてでも続けるのか、判断が分かれるところだろう。

「欧米では口から食べられなくなったら寿命と判断する国もある」

一方、「不必要だと思う」と回答した医師の中からは、「口から食べられなくなったら寿命」という声が上がった。

「欧米のように、経口摂取できなくなったら寿命という考えにならないと医療費で国が終わってしまう」(50代 一般内科)
「欧米では口から食べられなくなったら寿命と判断する国もあります。私自身も胃ろうや経管栄養をしてまで生き延びたくありません」(50代 老年内科)

単なる延命措置としての胃ろうには反対ということだろう。看病をする家族も「(胃ろうが)長期間になると疲弊する」(50代 一般内科)ことが多いという。

「わからない」と回答した医師からは、「患者さんにとって、嬉しいことなのかがわからない」(50代 耳鼻咽喉科)「医学の世界で絶対ということはない」(50代 整形外科・スポーツ医学)といった意見が寄せられた。

一方で、「必要だ」と回答した人にその理由を聞くと、

「治る治らない、生きる生きないは医師が決めることではない」(40代 小児科)
「死んでもいい人を選別できない」(50代 リハビリテーション科)

といった回答があった。胃ろうをやめてしまえば、回復する見込みが減少したり、死期が早まったりすることは避けられない。医師にはそうした判断ができない、と考える人もいるようだ。

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