運動会の選手宣誓のポーズ、「ナチスを想起させる」? ドイツ出身タレントの指摘で議論広がる

運動会の選手宣誓のポーズ、「ナチスを想起させる」? ドイツ出身タレントの指摘で議論広がる

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運動会などの選手宣誓のポーズと言えば、右手を高く上げて手先をピンと伸ばす姿を思い浮かべる人は多いだろう。しかし、ドイツ出身のタレント、サッシャさんが自身のブログでこの姿を「ナチス式敬礼」だと指摘し、ネットで話題になっている。

ブログは6月20日に公開。サッシャさんはドイツで生まれ、ドイツ人の父と日本人の母の元で育った。日本に移住してきた小学4年生当時、初めて見た日本の運動会での選手宣誓が、ナチス式敬礼のポーズと同じだったことに大変驚いたという。

「せっかくのセレモニーも海外で違うビックニュースになってしまいかねません」

6月21日には追記で

「右手をあげることを問題にしているわけではなくそれがナチスドイツで行われたベルリンオリンピックが由来でなおかつ選手宣誓のときのポーズに特段のこだわりがないのであれば、他のポーズの方がいいんじゃないかなと思っています」

と、自身の見解を説明した。

2020年の東京オリンピックを控え、「このポーズをやってしまって全世界に中継されたら…せっかくの素晴らしいセレモニーも海外で違うビックニュースになってしまいかねません」と危惧。その上で、

「是非次の運動会からは、選手宣誓のときは手を上げずに直立不動のポーズや腕を後ろで組んだポーズなど違う形で宣誓を行いませんか?」

と提案している。

ナチスの敬礼は「ローマ式敬礼」と呼ばれ、ローマ帝国の軍隊での敬礼が起源とも言われている。しかし、イタリアやドイツなどのファイスズム政党がこの敬礼を採用した歴史的経緯から、今でもヨーロッパを中心にこの仕草への嫌悪感は強い。2013年にはギリシャ国内で行われたサッカーの試合中、ナチス式敬礼のポーズを取った選手に対し、同国代表選手からの永久追放処分が下っている。

選手は、政治的な意図があると知らずにこの仕草をしたそうだが、であればなおさら、意図の有無を問わず厳しい目が向けられる行為だということが分かるだろう。

東京の教育委員会は「そんな話は初めて聞いた」と驚き

運動会での選手宣誓や敬礼のポーズについては、日本でも過去に問題視された例がある。2007年に東京・府中市で開催された第50回市民体育大会で、大会参加団体の入場行進の際、指揮台前を通過するときの表敬で「多くの団体は、一斉に右手を斜め前に上げる『ローマ式敬礼』を行った」ことに、早稲田大学文学学術院の村井誠人教授が苦言を呈していた。

その後、2010年10月の府中市教育委員会議事録を見ると、別の委員から

「(2010年の)9月19日に市民体育大会の開会式に参加いたしまして、ローマ式敬礼、どうかなと思って心配しながら見ていたのですけれども、みんな工夫しながら、小旗を振ったり、帽子を振ったり、手を振ったり、中にはローマ式敬礼の人もいましたけれども、いろんなバリエーションの中の一つですから、ほとんど気にならない。みんな楽しく開会式をやっておりまして、ローマ式云々ということは、見ている人はだれも思わないだろうと感じました」

との報告があり、敬礼の様子が変わったこと、それに対して安堵の念を抱いていることが読み取れる。

ただ、一方で東京都教育委員会はこの敬礼について、小中高校を通し「ナチスを想起させるという指摘や苦情が来たことはない。そうした話は今初めて聞いた」と驚いた様子で語っていた。

ネットではブログを通して初めて「えぇっ!?選手宣誓の時に手をあげるやり方、ナチス式敬礼だったの!?」と知った人も多い。一方で「過剰反応では」「浸透しているものを他国のためにやめるのはどうなの」といった意見も聞かれ、物議を醸している。

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