【過労死白書】脳・心臓疾患の労災件数、最も多いのは「運輸・郵便業」 過酷な労働実態明らかに

【過労死白書】脳・心臓疾患の労災件数、最も多いのは「運輸・郵便業」 過酷な労働実態明らかに

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電通やNHK社員の過労死が話題になる中、厚労省は10月6日、過労死等防止対策白書を発表した。昨年に続き2回目の発行となる今回は、2015年度の「過労死等の防止のための対策に関する大綱」で過労死等が多いと指摘された運輸業や外食産業の実態調査に重点を置いたほか、労働基準法が適用されない自営業者や役員の労働実態を明らかにする調査も行った。

2016年度に過労死や過労自殺等で労災認定された人は191人。脳・心臓疾患に関わる請求件数や決定件数は、共に運輸・郵便業が最も多くなっている。

自動車運転従事者は、バス、タクシー、トラックの運転手を指す。時間外労働が発生する理由はどの職種でも「人手が足りないため」が最多だった。特にバス運転手で顕著で、58.8%と6割近くにのぼる。

トラック業界では、契約外の商品仕分けなどを請け負わされることも

これまで深夜勤務回数が多かった時期は、全ての職種で12月と回答。特にタクシー運転者は75.7%と、バス運転手の24.8%、トラック運転手の47.2%を大きく上回る。

業務関連のストレスや悩みの原因は、職種ごとに内容が分かれた。バス運転手は「長時間労働の多さ」が48%で最多で、タクシー運転手は「売上・業績」(49.7%)、トラック運転手は「仕事での精神的な緊張・ストレス」(42.5%)だった。

トラック運送事業者への調査からは、取引慣行として荷主から、契約外の荷役作業、検品・商品の仕分け等の附随作業などを請け負わされていることも明らかになった。こうした実情を受け白書では「トラック運転者の時間外労働削減のためには、引き続き、トラック運送事業者、荷主、行政が一体となり、取引環境の改善を図るための取組みを進めていくことが必要」としている。

今回の調査では、労働基準法の適用対象外である会社役員や自営業者の労働実態についても調査しているが、法人役員の49.8%、自営業者の73.4%が自らの労働時間を「特に把握していない」と回答した。厚労省では「一般の労働者と同様に、日頃から労働時間を適正に把握し、長時間労働を抑制していくことが課題である」と問題を指摘している。

医療従事者の過重労働についても言及 データベースサイトを開設の方向

医師や看護師を始めとする医療従事者の過重労働に関する言及もあった。厚労省は昨年、全ての都道府県に「医療勤務環境改善支援センター」を設置している。白書では今後、センターの社会保険労務士や医業経営コンサルタントらの支援を受け、医療機関の環境改善を進めるとしている。また、医療機関の「雇用の質」データベースサイトを開設し、自主的な職場環境改善を後押しする方針だとも明らかにした。

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