介護の現場「人材不足を感じる」という職員が97% 「誰でも入りやすいが、誰でも続けられる職業ではない」

介護の現場「人材不足を感じる」という職員が97% 「誰でも入りやすいが、誰でも続けられる職業ではない」

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介護現場は慢性的な人手不足といわれるが、実際の現場ではどう対処しているのだろうか。介護業界に特化した人材紹介サービスのウェルクスは、介護の人材不足の実態調査を11月に実施し、28日に結果を発表した。対象は全国の介護従事者で、160人からインターネットで回答を得た。 

「職場で人材不足を感じていますか?」と訊いたところ、97.5%という圧倒多数が「人材不足を感じる」と答えている。(文:okei)

「上司のサービス残業の多さを見て、この業界での希望が持てない」

「どんなときに人材不足を感じるか」(複数回答可)という質問では、「一人当たりの業務量が多い」(63.2%)、「休みがとりにくい」(61.8%)が半数以上。「予定外の残業が多い」(28.3%)、「希望する勤務時間・日数より多く働いている」(25%)などと続く。やはり人材不足が常態化し、疲弊しているようだ。

人材不足の原因を自由回答で訊くと、多くが「給与の低さ」に言及している。

「ハードな仕事な割に待遇が良くない」(男性/40代)、「国の人員配置基準が少ない」(男性/50代)といった制度的な問題から、

「上司のサービス残業の多さを見て、この業界での希望が持てない」(女性/50代)
「同世代より給与が低い!結婚したら、共働きしないと子育てできない!」(男性/40代)

という悲鳴のような訴えも。「介護業界全体のマイナスイメージ」(女性/50代)のせいで志望者が減っている、「好景気で他業種に人が流れた」(女性/40代)という指摘もあった。

実際に現場で働く人には、忙しくて人材不足の解決策など考えている暇はない。対応は個人に委ねられるものではなく、施設の運営団体や行政が取り組むべき問題だろう。

「社会的地位が低く胸を張って自分の仕事を周りのみんなに言えない」

だが、人材不足に対して実施されている取り組みを訊ねると(複数回答可)、40.9%が「特にしていない」という回答だった。

次に「職場でのコミュニケーションの円滑化」(28.3%)、「スキルアップ、資格取得のサポート」(25.2%)、「メンタルヘルス対策の実施」(23.9%)、「社内・社外研修の実施」(20.8%)等が挙がった。給与を上げたのは13.8%だった。

「どうすれば人材不足が解消されるか」との質問には、「給与の引き上げ」(84.4%)という答えが最も多かった。次いで「介護職の社会的地位の向上」(76.9%)、「休暇が取りやすい環境づくり」(64.4%)となる。給料が低いという不満に加え、介護従事者が軽んじられているという憤りを感じる回答だ。アンケートには、こんな意見がある。

「この業界は誰でも入りやすいが、誰でも続けられる職業ではない」
「心理的にストレスの多く、様々な面で配慮が求められる仕事であるにも関わらず、社会的地位、給与、福利厚生全てにおいて、他業種より悪い。それでも高い意識を持って仕事をしている人が、安心して続けられる環境を整えないと、悪循環は解消されないと思う」(女性/40代)
「介護の仕事は好きだしこれからも続けていきたいと思っていても、給料への不満は常にある。さらに社会的地位が低く胸を張って自分の仕事を周りのみんなに言えない自分がどこかにいるのがとても悲しい」(女性/30代)

ウェルクスでは、解決法として「2番目に多く挙げられている『介護職の社会的地位の向上』。その実現には、『給与の引き上げ』はもちろん、それを可能にする介護保険制度の見直しを含む、国単位での対応が求められていると言えそうです」とコメントしている。

介護は誰にとっても他人事ではない。歳をとって大事にされたいなら、まず介護従事者を大切にすることだ。

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