飲食店のドタキャン履歴を電話番号で照合する「ドタキャン防止システム」 個人情報の扱いに問題はない?

飲食店のドタキャン履歴を電話番号で照合する「ドタキャン防止システム」 個人情報の扱いに問題はない?

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客のドタキャン被害から個人飲食店を守ろうと、全日本飲食店協会は2月14日、「ドタキャン防止システム」をリリースすると発表した。料金は無料で、今月19日から利用が開始される。

ドタキャンした客の電話番号を登録したデータベースを作成し、飲食店が共有できるというシステム。飲食店は、予約時に電話番号を聞いてデータベースと参照し、過去のドタキャン履歴があれば、それに応じて料金前払いにしたり、予約を断るなど、店舗ごとの方針に沿って対応できる。

ネットでは、飲食店の予約の無断キャンセルやドタキャンが度々話題になる。昨年10月には世田谷区の居酒屋で130人の宴会の予約がドタキャンされ、客のモラルをめぐり議論が起きた。そのため、「こういうの必要だよね」と賛同する声は多い。一方で、「個人情報大丈夫なの?」「一度登録されたらずっと残るのかな」など、情報管理の面で不安視する声も出ている。

弁護士「システムの利用を予約時に明示し、電話番号登録の同意を取ることが理想」

全日本個人飲食店協会は2017年に設立された。協会理事長で、兵庫県で飲食店を経営する関良祐さんによると、飲食店関係者からさっそく好反応があったと言う。飲食店関係者らで作るフェイスブック上のグループには500人ほどのメンバーがいて、

「ドタキャンに頭を悩ませている方々から、コメントや応援メールがたくさん来ました。ケーキ屋さんなどは、オーダーを受けてその人の為だけに作った誕生日ケーキが、ドタキャンによってダメになってしまうので深刻だと言います」

客側としては、個人情報の扱いが気になるところだ。システムの紹介ページには「消費生活センターへ問い合わせた結果、電話番号以外の個人を特定する要素がないため個人情報保護法には抵触しないと回答をいただきました」と掲載されている。関さんも「問題ないと弁護士から聞きました」と主張している。

しかし、ひかり総合法律事務所の板倉陽一郎弁護士はこれについて、やや問題があると指摘する。個人情報保護法及び施行令では、電話番号単体を個人識別符号として扱っていないものの、「電話番号単体が通常の個人情報ではないという確証的な解釈はない」と言う。

「通常、店舗では氏名等と共に予約を受け付けますから、個人情報として扱うのが適切だと思います。非常に稀なケースですが、店舗側が予約システム等を使っておらず、散在するメモ等の形でデータを処理しているのであれば、個人情報であっても個人データではなく、この場合は店側の提供行為が個人情報保護法に反しない場合はあります。ただ、だからといって民事上まったく問題ないかと言われると難しいです」

協会は電話番号だけをデータベースに格納すると言っているが、予約サイトを利用していれば、サイトで入力した氏名や住所も分かってしまう。その状態で店舗側が、第三者である協会側に電話番号を提供するとなると、「個人データの一部を本人の同意なく第三者提供していることになり、店舗側は違法になります」という見解を示した。

一番望ましいのは「飲食店が、予約段階で不特定多数に個人データが提供されるドタキャン防止システムを利用していることをお客さんに予約条件として明示し、もしドタキャンした場合はデータベースに電話番号が登録される可能性があることについて、お客さんの同意を得ておくこと」だそうだ。

協会「お客さんから同意を取る予定は無い。被害を受けたときに追加する」

ただ、協会によると、電話番号をデータベースに入れることに関して、お客さんから同意を得る予定はないと言う。「予約するときに、あなたはドタキャンするかもしれないから番号を教えてくださいなんて、お客さんに言えません。ドタキャンされた場合は連絡が取れなくなることがほとんどなので、お店が被害を受けた時に番号を追加するようになります」というのが協会の答えだ。

電話番号のなりすましや、番号の持ち主が変わった場合の対処法としては「お客様から申請をしてもらって、こちらで確認が取れ次第削除手続きをする方針」だと言う。

協会は今後、ドタキャン防止システムを利用する飲食店に対し、顧客管理システムや求人問題への対策、産地直送の仕入れ、経営勉強会など、飲食店向け有料サービスに関する情報を発信していく予定としている。

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