「3年間は妊娠しないと誓約書を書かされた」 女性医師の6割超が「性別による不当な扱い」経験

東京医科大学が女性受験者を減点し波紋、女性医師6割超が性別による不当な扱いを経験

記事まとめ

  • 東京医科大学が女性受験者を一律減点し波紋を広げたが、医師5割が"仕方ない"と回答
  • 性別による不当な扱いを受けたことがあるかという質問には女性6割超が"ある"と回答
  • "内科、外科等の入局時に3年間妊娠しないという誓約書を書かされた"という女性医師も

「3年間は妊娠しないと誓約書を書かされた」 女性医師の6割超が「性別による不当な扱い」経験

「3年間は妊娠しないと誓約書を書かされた」 女性医師の6割超が「性別による不当な扱い」経験

「3年間は妊娠しないと誓約書を書かされた」 女性医師の6割超が「性別による不当な扱い」経験の画像

医師の転職支援サービスや病院経営へのコンサルティングを提供するメディウェルは10月18日、医師の労働環境に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は、同社の会員医師653人を対象に実施した。

先日、東京医科大学が女性の受験者を一律で減点したことが波紋を広げたが、背景には医師の過酷な労働環境があるようだ。

「医者は肉体労働の部分が工事現場と一緒」(50代女性医師)

東京医大が女性の受験者を一律で減点していたことについて、「必要な措置」と答えた人は8%、「良いことではないが必要悪だと思う」が47%で、合わせて55%もの人が"仕方がない"と答えた。「不必要であり理解できない」は35%に過ぎなかった。

男性を優遇しても仕方がないと考えるのは、やはり医師の仕事が過酷だからだ。

「医療の現場は男性でないと無理だと思う、それだけ現場は激務であり、権利を主張する医師は男女含めいらない」(50代男性、腎臓内科)
「実際医師として役に立たない女医が多すぎる。当直や時間外当番などしない女医でも男性医師と同じ1名と換算されるので、一緒に働く男性医師の負担は増えるだけです」(40代男性、内科)
「医者は肉体労働の部分が工事現場と一緒」(50代女性、呼吸器内科)

また、女性は負担の軽い診療科を選ぶ傾向があり、女医が増えれば外科が不足するという指摘も多かった。

「診療科の偏在などに拍車がかかることになると思われる」(40代男性、循環器内科)
「(女医が増えると)外科の医局員はさらに少なくなると思います。現在でも手術を行うのにギリギリの人数なのにこれ以上減ると手術数を減らすしかなくなります。手術を受けることができずに亡くなる患者様が増えるのではないかと心配です」(50代男性、美容皮膚科)

とはいえ人手が足りなくて仕事が忙しいのであれば、医師の数を増やせばいいのではないか。診療科の偏在についても、女性を差別する以外の対応方法がありそうだ。

「男は奴隷扱いできるが、女性にはできない」(50代男性医師)

医学部生・医師として性別による不当な扱いを受けたことがあるかどうか聞くと、女性では「ある」が62%に上った。男性で「ある」と答えたのは36%だった。

実際にどのようなことがあったのかを聞くと、「外科系統の科は、女性の入局を嫌がると聞きました」(50代女性、放射線科)、「どうせ辞めるから女は要らない、と公言してる医局があった」(40代女性、内科)といった声が寄せられた。

妊娠は本来、個人が望んだタイミングでできるはずのものだが、「『妊娠は順番待ちだ』と公然と言われていた」(20代男性、小児科)、「内科、外科などの入局時に3年間は妊娠しないという誓約書を書かされた」(50代女性、内科)というのが現状のようだ。女医が妊娠して休職すれば、現場が回らなくなるということなのだろう。

女性医師の割合が増えると、医師不足や診療科の偏在につながるかどうか聞くと、「そう思う」という人が67%に上った。また女性医師の割合が増え、実際に現場が回らなくなることがあるという人も44%いた。

「子供、家庭の都合で急な欠勤となると直ちに回らない」(60代男性、麻酔科)
「出産、育児による他医師の負担増」(30代男性、外科)

しかしそもそも人手が足りていないのが問題ではないかと指摘する声もあった。

「そもそも急な欠勤に全く対応できないようなギリギリの労働環境であることが問題。医師数を増やし、育児介護のみならず本人の病欠などにもある程度対応できるようにすべき」(30代女性、耳鼻咽喉科)

年配の男性医師からは、「医療の現場は権利を放棄するべきだと考える。男性医師は権利を求めていない、でないと患者の命を守れない」(50代男性、腎臓内科)、「男は奴隷扱いできるが、女性にはできない」(50代男性、小児科)という声も。患者のために休みも取らずに働く医師の存在はとても頼もしいが、医師だからといって権利が守られなくていいのだろうか。

「当直含む36時間労働などは禁止すべき」(30代男性、救命救急科)

今後、どのような対策をすべきか聞くと、やはり過重労働を解消すべきだという声が多かった。

「医師がもっと休みやすい環境を整える。当直含む36時間労働などは禁止すべき。男性医師でも過労や自殺を招く」(30代男性、救命救急科)

そのためには「医師、医学部の定員を欧米並みに増やす」(40代男性、外科)といった方法もありうるだろう。

「そもそも、すべての診療科が同等な給料であることがおかしい。これを是正すれば、男女差別はなくなる」(40代男性、外科)
「医師になればどの科目も選択できる仕組みそのものがおかしい」(60代男性、内科)

という声もあった。外科の診療報酬を上げたり、科目ごとの人数を定めればいいということだ。また給与については、

「定時勤務や時短勤務を基本給として、勤務超過や僻地手当などに対する金銭面の手厚い評価を得られるようにする。現在稼働中の医師のモチベーションを下げてはならない」 (30代男性、精神科)

といった指摘も。こうした対策を行えば、女性への差別がなくなるだけでなく、男性の医師も働きやすくなりそうだ。

キャリコネで企業の口コミを見る

関連記事(外部サイト)