大学入試改革で教育現場に広がる困惑「不確定な事が多い。保護者や生徒に何をどの程度伝えればよいのか」

大学入試改革で教育現場に広がる困惑「不確定な事が多い。保護者や生徒に何をどの程度伝えればよいのか」

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高校生向けに進路情報を提供する「さんぽう」は11月上旬、大学入試改革に関する調査結果を発表した。調査は今年7月〜8月に実施。通信制、定時制なども含む全国の高等学校5054校の進路指導部にアンケートを送付し、533校から回答を得た。

大学入試改革は、2021年から始まる大学入試共通テストを中心に、これまでの入試の形を大きく変えようとするもの。認知度は約9割と高いものの、全容がはっきりしない入試改革に、教育現場では戸惑いが広がっている。

「英語4技能検定の日程によっては部活の大会や学校行事を見直さないといけない」

進路指導の担当者からは総じて、「不確定・不確実な事柄が多く、どの部分をどの程度保護者・生徒に情報を伝えていけばよいのか不安」という声が上がった。

「本校ではほとんどの大学進学希望生徒が推薦もしくはAO入試で入学しているが、各大学の推薦・AO入試がどのように変わるのか、大学側も検討中なようである。できるだけ早く公表してもらいたい」
「情報は欲しいが、まだ各大学が決めかねているという印象を受ける。それ以上に大学入試センターの取り組みが遅れているのが心配である。不十分な状態で共通テストが行われるというのが一番困る」

英語の外部試験の導入に関して寄せられた、「地域差・経済面での差が出ないか心配」という意見はもっともだ。

「民間の英語資格を公的な性質の大学入試に使う点で公平さに問題がある。また、受検するために保護者の金銭的負担がかなり増える」
「英語4技能の検定日程によっては部活の大会や学校行事を見直さないといけない可能性がある」

という声もあった。

「現在の数倍になる調査書の活動記録がちゃんと読まれるとは思えない」

アンケートで、不安なことの上位に挙がったのが「調査書の様式変更とその入試活用の在り方」(78%)や「志願者本人の記載する資料(ポートフォリオ)の活用の在り方」(69%)だ。特に、2021年の「大学入学共通テスト」に先立ち、2019年度入試から一部大学で導入される「JAPAN e-Portfolio」に関する戸惑いは多く見られる。

「JAPAN e-Portfolio」は、高校生が部活の実績や学校行事、取得資格など、学校内外の取り組みを記入するインターネット上のポータルサイトだ。各大学のインターネット出願システムに連携し、入試の資料として活用することが予定されている。

11月2日時点で、早稲田大学や青山学院大学などの私立大学だけでなく、首都大学東京や大阪大学といった国公立大学も活用を検討している。当事者である高校生にとっては大きな変化だが、高校側は対応に苦慮しているようだ。高校からは

「ポートフォリオ導入や調査書の書式変更によって学校側が準備する出願資料は今よりも大幅に増加して負担も大きくなる。しかし、それを大学側がどのくらい重要視してどのように入試に生かす気があるのか、それだけの労力を投下する気があるのか。現在の数倍になる調査書の活動記録がちゃんと読まれるとは思えない」
「省力化効率化のためにe-Portfolioなどを使うことが逆に高校生の負担になったり、公平さを欠く結果にならないように大学側には十分検討していただきたい」

といった声が出ていた。

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