名門「オンキョーホームエンターテインメント」上場廃止へ 債務超過が解消せず

オンキヨーホームエンターテイメントが債務超過に陥り、7月末ごろにも上場廃止

記事まとめ

  • オンキヨーホームエンターテイメントは近年苦戦しており、債務超過に陥った
  • 東証はオンキヨー株の監理銘柄指定を発表しており、7月末ごろにも上場廃止となる
  • オンキヨー株の6日終値は6円で、今後は会社の存続そのものも焦点となりそうだという

名門「オンキョーホームエンターテインメント」上場廃止へ 債務超過が解消せず

名門「オンキョーホームエンターテインメント」上場廃止へ 債務超過が解消せず

オンキヨーホームエンターテイメントが臨時株主総会を開いた大阪市内の複合施設(C)共同通信社

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 スピーカーを得意としてきたオーディオ業界の名門・オンキヨーホームエンターテイメント(旧オンキヨー)が株式市場から退場を迫られることになった。業績不振で3月決算期末の純資産が2期連続マイナスすなわち債務超過に陥り、上場廃止基準に抵触する見込みとなったためだ。

コロナ禍が業績不振に追い打ち

 東証はこれを受けて3月31日、オンキヨー株の監理銘柄(確認中)指定を発表。6月25日の同社株主総会後に提出される予定の有価証券報告書で決算内容を確認したうえ整理銘柄へ移し、7月末ごろにも正式にジャスダック上場を廃止する。

 オンキヨーは旧松下電器産業(現パナソニック)のスピーカー工場の工場長だった五代武氏が1946年大阪で創業。繊細でクリアな高音域を奏でるスピーカーやミニコンポなど「音にこだわった製品」(業界筋)を次々と市場へと投入し、オーディオファンを魅了してきた。

 2015年にはパイオニアのAV機器事業を買収。16年3月期には前期比1・81倍となる643億円にまで売上高を伸ばした。しかし、デジタル対応に後れを取ったうえ、最近はスマホの急速な普及に押されて苦戦。新型コロナ禍による追い打ちもあって20年3月期には98・8億円の最終赤字(前期は0・34億円の黒字)に転落。33・55億円の債務超過に陥った。

 このためホームAV事業部門を中心に100人規模のリストラを実施。その一方で投資ファンドを引受先とした新株予約権の発行など資本増強策を相次いで打ち出し、今年3月期末での債務超過からの脱却を目指してきた。

 ただ株価低迷で予約権の権利行使が進まず、最大62億円の調達を見込んだ今年1月末の増資策も調達額が12億円にとどまるなど誤算続き。「66億円にのぼる未払いの営業債務を抱えている」(関係者)という足かせもあって事業活動も思うに任せず、21年3月期の売上高は88億円にまで急降下。最終的には59・8億円の純損失に終わり、結局23・19億円の債務超過が解消できないまま、ゲームオーバーを迎える形となった。

 オンキヨー株の6日終値は6円。今後は会社の存続そのものも焦点となりそうだ。

(重道武司/経済ジャーナリスト)

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