東芝社長を突然辞任…車谷暢昭氏はもう再就職先を見つけた?(小林佳樹)

東芝社長を突然辞任…車谷暢昭氏はもう再就職先を見つけた?(小林佳樹)

人脈は広い車谷暢昭氏(C)日刊ゲンダイ

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 東芝に買収提案していた英投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」は19日、東芝に「(買収)検討を中断する」旨の書面を送った。事実上の買収撤回である。当初、CVCは7月上旬にも1株5000円で東芝株の公開買い付け(TOB)を行い、10月に上場廃止するプランを東芝に提示していた。しかし、当事者である車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)の突然の退任でシナリオは大きく狂った。

 このCVCの買収提案の背景には、車谷氏の再任を巡る社内の確執があった。

「このままでは6月の株主総会は乗り切れそうにない。代表権を返上して会長か特別顧問に退いてはいかがか」

 4月初め、東芝の取締役会議長で指名委員会委員長でもある永山治氏(中外製薬特別顧問・名誉会長)はこう車谷社長に詰め寄ったとメガバンクの幹部は語る。そこで車谷氏が「こんな提案がある」と持ち出したのがCVCによる買収提案だったというのだ。CVCは車谷氏にとってはいわば古巣。三井住友銀行副頭取を辞して就いたのがCVC日本法人の会長ポストだった。車谷氏はそこから東芝トップに移籍している。CVCの買収提案は、東芝の大株主であるアクティビスト(物言う株主)から車谷氏を守り、社長兼CEOのポストを続投させることに狙いがあった。その守るべき車谷氏が退任した以上、意味がないというわけだ。

 実は、車谷氏とCVC日本法人最高顧問の藤森義明氏は昵懇の仲で、頻繁に連れ立って飲み歩く間柄だという。西麻布の会員制クラブ「Y」は2人のたまり場らしい。買収提案はこの2人の連携プレーだったとの見方もある。「車谷氏の個人的な人脈は多彩」(メガバンク幹部)と言われる。

■愛媛県人脈が武器とも

 こうした車谷氏の人脈は、東芝を辞した後の再就職にも生かされそうだ。関係者によると、「車谷氏は出身地である愛媛県新居浜市出身の財界・官界人との密なつながりを持っている」という。三菱UFJ銀行元頭取の永易克典氏や岡本薫明元財務次官らそうそうたる面々が車谷氏を支援している。こうした人脈を武器に再就職も安泰か。もう車谷氏は再就職先の目鼻を付けているとも噂される。

(小林佳樹/金融ジャーナリスト)

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