衝撃の日銀リポート 10年後“地銀6割が最終赤字”に怨嗟の声

衝撃の日銀リポート 10年後“地銀6割が最終赤字”に怨嗟の声

地銀はどうなる?(日銀の黒田総裁)/(C)日刊ゲンダイ

国内借り入れ需要の減少が現状のペースで続いていけば5年後の2023年度には2割強、10年後の28年度には6割近くにも上る地銀が最終赤字に陥る――。日銀が17日に公表した半期に一度の報告書「金融システムレポート」の中で示したこんな試算が、地銀界に波紋を投げかけている。

 この試算は人口が緩やかに減り続け、潜在成長率が現在と同じ0%台後半で推移するというのが前提だ。その上で長短金利はいずれも20年代後半にかけ緩やかに上昇し、金利差もじわり拡大していくと想定した。要するに「マイナス金利」が根を張り、長短金利差がほとんどない今よりも、こと金利面だけを見れば地銀にとっての収益環境は少しばかり改善されているとの想定だ。

 それでも最終赤字行が増大していくのは、資金需要の先細りに伴って貸出金残高の伸びが鈍化、目減りするパイを巡る銀行間の競争激化もあって利ザヤも縮小するためだ。

 しかも「需給ギャップのプラス幅縮小を背景にデフォルト率が上昇して信用コスト(不良債権処理費用)が増加。株や債券など有価証券の含み益が枯渇する金融機関も増える」としている。

 また、同じ前提条件を信用金庫に落とし込んだ場合でも23年度には35%、28年度には半数超の53%が最終赤字になるという。つまり地銀をはじめとした地域金融機関の収益力低下はマイナス金利政策による影響よりも、人口減少や停滞する潜在成長力、地域経済の活力低下といった構造的な要因の方がはるかに大きいと言いたいわけだ。

 一連の試算を受けてリポートでは地銀に対し、基礎的な収益力の回復に向け、リスクに見合った貸出金利の確保や手数料収入など非資金利益の拡大に取り組むよう指摘。経費構造、業務プロセスの見直しの必要性や、さらには経営統合・提携、他業態とのアライアンスなども訴えているが、地銀関係者らの評価は総じて芳しくない。「我々に(マイナス金利という)毒を盛っておきながら、早く何とかしないと死んでしまうぞと言っているようなもの」。そんな怨嗟の声も聞こえてくる。

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