ベアの足並み揃わず 大手銀行で市銀連の存在意義が希薄化

大手銀行で市銀連の存在意義が希薄化 ベアで足並みが揃わず共闘のあり方が問われる

記事まとめ

  • 3メガバンクとりそな銀行の組合員で組織する、市中銀行従業員組合連合会(市銀連)
  • 定例給与改善(ベア)で足並みが揃わなくなりつつあり、存在意義が希薄化している
  • 発端は、最大手の三菱UFJ銀行が要求額の2倍に相当する引き上げを回答したこと

ベアの足並み揃わず 大手銀行で市銀連の存在意義が希薄化

ベアの足並み揃わず 大手銀行で市銀連の存在意義が希薄化

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

3メガバンクとりそな銀行の組合員で組織する、市中銀行従業員組合連合会(市銀連)の存在意義が希薄化している。4単組・9万4100人もの組合員を抱える巨大組合だが、最大の共闘事項である定例給与改善(ベア)で足並みが揃わなくなりつつあるためだ。 

 発端は今年度のベアを巡り、最大手の三菱UFJ銀行の経営側が3月下旬に、組合の要求額の2倍に相当する「定例給与の1%」の引き上げを回答したことに始まる。同行単組が求めていたベア要求額は0・5%だった。この引き上げ幅は、市銀連が3月22日の中央委員会で決議した共闘水準で、3月28日に4単組が一斉に経営陣側に提出していた。 

 三菱UFJ銀行の従業員にとっては予想だにしないうれしい回答となるが、市銀連としては悩ましい異例の対応となりかねない。というのも三井住友銀行とみずほ銀行は、今年度のベースアップを見送る方針であるためだ。大手行の間で対応が分かれる事態に、市銀連による共闘のあり方が問われかねない。 

 銀行の従業員組合は旧都銀、信託、地銀・第二地銀など業態別に組織された組合があり、市銀連は旧都銀の従業員で構成されている。大手行の再編が相次ぎメガバンクとなったため、市銀連も4単組に集約されたが、「組合の委員長は、将来の経営幹部の登竜門であることに変わりはない」(メガバンク幹部)という。いわゆる御用組合の代表格だ。 

 三菱UFJ銀行の異例の高回答は、低金利で収益環境は悪化しているものの、IT業界などの異業種の参入で競争が激化する中、生産性の向上などに取り組む社員の意欲を高める必要があると判断したもの。一方、同行は2020年春の新卒採用数を前年比で45%減らす方針も打ち出している。

 ITやロボットの活用で、銀行員の数は将来にわたり大幅に減少すると予想されている。それだけに給与水準を高く維持しなければ、優秀な人材の確保はできない。市銀連の共闘の難しさは苦しい銀行の現在を象徴しているようだ。

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