ますます薄利多売強いられる V字回復JALは令和も前途多難

ますます薄利多売強いられる V字回復JALは令和も前途多難

新政府専用機で欧州歴訪中の安倍首相と昭恵夫人=右(C)共同通信社

【平成の経済ニュース 令和のこれから】

 皇族や首相が海外を訪問する際に利用する「政府専用機」が新しくなった。これまではボーイング747を使用していたが、今年度からはボーイング777になったのだ。同時に機体整備やサービスの担当もJALからANAへと交代した。

 ANAが担当するのは初めてのことで、日本のナショナルフラッグキャリアー(NFC)がJALからANAに代わったことの証明だ。

 日本を代表する航空会社だったJALが会社更生法の適用を申請し、事実上倒産したのは平成22(2010)年1月19日のこと。同20年のリーマン・ショックで海外旅行客が激減したのが直接のきっかけだが、親方日の丸体質で時代の変化に適応できないところに根本的な原因があった。

 破綻後には、京セラ創業者の稲盛和夫氏が会長に就任。稲盛氏の指揮のもと、倒産から32カ月後に再上場を果たすなどJALはV字回復を果たすが、この間にNFCの座はANAに奪われてしまった。

 しかも、その再建途上に新たな敵が出現した。JALが再上場した平成24年はLCC元年と呼ばれている。ジェットスターやピーチなど、安さを武器にした航空会社が、既存の航空会社のシェアを奪い始めた。現在、LCCのシェアは国内線では10%前後だが、国際線では25%前後まで上がっている。

 そこでJALも国際線LCCの「ZIPAIR」を設立し、対抗する構えを見せているが、これは自らの収益を奪いかねない。

 はっきりしているのは、今後ますます航空会社は薄利多売を強いられるということで、国際的な消耗戦がこれからは続く。復活したとはいえJALの前途は険しいままだ。

 (経済ジャーナリスト・真保紀一郎)

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