“メガバンク会長”参加の前代未聞 トヨタ決算説明会で質問

“メガバンク会長”参加の前代未聞 トヨタ決算説明会で質問

三井住友銀行の宮田孝一会長(C)日刊ゲンダイ

「日本を代表する超大企業とはいえ、メガバンクの会長、頭取が決算説明会に参加するというのは前代未聞じゃないかな」

 こうメガバンクの幹部が驚いたのは、5月8日に東京都内で開かれたトヨタ自動車の19年3月期連結決算説明会に三井住友銀行の宮田孝一会長と三菱UFJ銀行の三毛兼承頭取が参加したことだ。しかも、宮田会長は「中長期的な目線でトヨタ株を買う投資家に対する考え方を教えてほしい」と、豊田章男社長に質問する熱の入れようだった。

 今回の決算はトヨタにとって記念すべきタイミングだった。というのも今決算でトヨタは日本企業で初めて売上高30兆円超えを果たし、世界販売台数も過去最高を更新した。宮田、三毛の両行経営陣が決算説明会に参加したいと思うのも無理はない。

 三井住友銀行と三菱UFJ銀行はトヨタの取引を巡り、しのぎを削るライバル関係にある。

「トヨタは設立して間もない頃に経営危機に瀕したことがあるのですが、その時、旧三井銀行が全面支援し、危機を脱した。情に厚いトヨタはこの時の恩を終生忘れず、現在も三井住友銀行がメインバンクを務める。また三菱UFJ銀行も前身の東海銀行がトヨタの主力銀行であったことから、今も関係が深い」(メガバンク幹部)

 三井住友銀行の宮田会長は旧三井銀行出身で、4月の人事でそれまでの持ち株会社会長を退き、銀行会長に専任したばかり。そこで旧三井銀行を代表して、トヨタの決算説明会に参加しようと思ったのだろう。

 一方、三菱UFJ銀行の三毛頭取は4月の人事で持ち株会社の社長も兼務したことから、三菱UFJフィナンシャル・グループを代表して参加したということか。

 宮田会長の質問に豊田社長は「ポートフォリオの中でトヨタ株は安定が求められる銘柄として組み込まれているのではないか」と指摘した上で、「経営環境が悪化しても着実に成長し続ける会社にしたい」と応じた。

 超低金利が継続する中、長引く経営環境の悪化に苦慮するメガバンクにとって、肝に銘じるべき回答だった。

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