円高加速でマイナス金利拡大も 黒田日銀は地銀を潰すつもりなのか

円高加速でマイナス金利拡大も 黒田日銀は地銀を潰すつもりなのか

黒田日銀総裁(C)日刊ゲンダイ

米FRBが“利下げ”に踏み切る可能性が高まり、一気に“円高”が進んでいる。20日の円相場は一時、1ドル=107円台半ばと1月上旬以来の円高・ドル安水準となった。

 大企業の想定為替レートは1ドル=108円だけに、この先、輸出企業の業績が急速に悪化する恐れがある。しかも、FRBは年内に2回“利下げ”するとみられている。

 さっそく、日銀の黒田総裁は「物価上昇の勢いが失われたら、躊躇なく追加緩和を実施する」と会見で発言している。もう一段、金利を下げる可能性があるということだ。

 しかし、すでに日銀は“マイナス金利”を導入している。これ以上、金利を下げる余地があるのか。しかも、地方銀行が軒並み業績を悪化させるなど、異次元緩和の“副作用”が表面化している。地銀の大きな運用先だった10年国債の金利がゼロになってしまったため、運用難に陥っているのだ。さらに、超低金利によって、長期と短期の金利差がなくなり、利ザヤを稼げなくなっている。

 はたして、これ以上、金利を下げて日本経済に効果があるのか。

「究極の“金融緩和”は、ゼロ金利です。マイナス金利にしてしまうと、むしろ“金融引き締め”になりかねない。金融緩和とは、マネーの流れを良くして、融資を活発にすることです。ところが、マイナス金利を導入すると、マネーの流れが悪くなり、融資が停滞してしまう。銀行の体力が奪われ、貸し出し余力が小さくなるからです。金融緩和を目指すのなら、金利を上げるべきです」(経済評論家・斎藤満氏)

 1980年代、アメリカの「貯蓄貸付組合」(S&L)という金融機関が経営危機に陥った時、FRBは長期金利と短期金利の差を拡大することで、危機を乗り切っている。ところが、日銀は正反対のことをやっている。黒田日銀によって地銀は息の根を止められるのではないか。

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