これで6度目…「物価2%」先送りは黒田総裁の“続投宣言”か

日銀の黒田東彦総裁が「2%の物価上昇」の達成時期を6度目の先送り 総裁"続投宣言"か

記事まとめ

  • 日銀の黒田東彦総裁が、2013年に掲げた「2%の物価上昇」の達成時期を6度目の先送り
  • 当初は2年程度で達成としていたが、黒田総裁の任期切れとなる18年4月までの達成を断念
  • "19年度までの先送りは達成まで総裁を辞めないとのメッセージかも"と株式評論家はいう

これで6度目…「物価2%」先送りは黒田総裁の“続投宣言”か

これで6度目…「物価2%」先送りは黒田総裁の“続投宣言”か

まだまだヤル気満々(C)AP

 日銀の黒田東彦総裁が「白旗」を上げた。2013年4月の異次元緩和で掲げた「2%の物価上昇」の達成時期をまたも先送りし、「19年度(20年3月末まで)ごろ」としたのだ。

 先送りは実に6度目。当初は「2年程度で達成」としていたから、15年春には実現していたはずだ。ところが5年も後ズレし、黒田総裁の任期切れとなる18年4月までの達成を断念した。黒田氏は20日会見で、「残念だが、適切な見通しをつくることが一番大事だ」と冷静に話した。

「無責任すぎるでしょう。6度も先送りしておいて『適切な見通しが一番大事』とは開いた口がふさがりません。自身の任期中に達成できないのなら、潔く『物価2%』目標を取り下げるべきです」(市場関係者)

 第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏も言う。

「19年度ごろとなると、次期総裁に『物価2%』の達成を任せるということになります。しかし次期総裁が誰で、どのような金融政策を打ち出すかは不透明です。踏み込み過ぎな気もします」

 次期総裁が“黒田路線”を踏襲するかどうかの判断は難しい。

「うがった見方をすればポスト黒田は黒田総裁本人ということです。19年度までの先送りは、『物価2%』達成まで総裁を辞めないというメッセージかもしれません」(株式評論家の倉多慎之助氏)

 日銀法によれば、総裁任期は「1期5年」ながら再任を認めている。ただ戦後は、任期満了後に再任されたのは山際正道氏(56〜64年=2期目の途中で退任)のみだ。

 黒田続投のハードルは高いが、「アベクロといわれるように黒田総裁は安倍首相と一心同体。安倍政権が安泰なら、続投は十分可能」(金融関係者)だ。

「安倍政権の支持率が急降下しているので、黒田総裁は肝を冷やしているでしょう。安倍政権が弱体化すると、黒田続投も危うくなる。黒田総裁は早めに手を打ったとみるべきです」(倉多慎之助氏)

 ポスト黒田選びは今秋から本格化する。その時期に「物価2%」の6度目先送りを公表したら、黒田総裁の評価はガタ落ちし、次期総裁レースに不利となりかねない。だから、今のうちに「先送りしてしまえ!」というわけだ。

 来年以降にあるかもしれない“7度目の先送り”を公表するのは、黒田総裁かもしれない。

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