半導体売却また先送り “決められない”東芝に今度は内紛説

東芝に内紛説が浮上 半導体子会社の売却先決定を9月以降に先送りし見限る声が相次ぐ

記事まとめ

  • 8月中に半導体子会社の売却先を決めないと上場廃止が決定的の東芝が、9月以降に先送り
  • ここへきて綱川智社長とナンバー2の成毛康雄副社長を巡り東芝に内紛説が浮上している
  • 東芝を見限る声が相次いでおり、銀行団や政府筋は上場廃止を視野に入れ始めたとも

半導体売却また先送り “決められない”東芝に今度は内紛説

半導体売却また先送り “決められない”東芝に今度は内紛説

何も決められない綱川社長(C)日刊ゲンダイ

 デッドラインを越えた――。東芝を見限る声が相次いでいる。

 8月中に半導体子会社(東芝メモリ)の売却先を決めないと、来年3月末までに債務超過は解消できず、上場廃止が決定的になる。そう伝わるなかで、東芝は売却先決定を9月以降に先送りした。

「国によっては独禁法の審査が半年以上かかります。早急に売却先を決める必要があったのに、東芝経営陣からは緊迫感がまるで伝わってきません」(経済評論家の杉村富生氏)

 ここへきて内紛説が浮上している。綱川智社長(61)は米ウエスタンデジタル(WD)への売却を主張。ところがナンバー2の成毛康雄副社長(東芝メモリ社長=62)は、訴訟に踏み切り信頼関係を壊したWDへの売却に猛反発しているというのだ。

「綱川社長は医療機器分野の出身で東芝では傍流です。一方、成毛副社長は主流の半導体出身。社内的には成毛氏の発言力のほうが強いのでしょう。通常時ならいざ知らず、売却先決定のタイムリミットが迫っているのに、内輪モメとはあきれるばかりです」(杉村富生氏)

 銀行団や政府筋は上場廃止を視野に入れ始めたという見方がある。

「この期に及んで内紛話が出てくるとは、東芝経営陣は不甲斐ない。銀行は上場廃止も仕方なしと考え始めています。来年3月末に東芝が債務超過のままだと、銀行は東芝の債務者区分を『破綻懸念先』に引き下げ、引当金を積み増さなくてはなりません。ただ銀行の経営環境は悪くないし、引当金を積む体力はあるでしょう。東芝は上場廃止で信用低下は避けられませんが、倒産よりマシです。東芝メモリの売却も急ぐ必要がなくなります」(経済ジャーナリストの真保紀一郎氏)

 現状では3陣営が東芝メモリ買収に意欲を示している。WDと米ファンド「KKR」などが組む陣営、韓国の半導体メーカーSKハイニックスが参加する日米韓連合、台湾の鴻海などだ。

「この際、3陣営にじっくりと競ってもらい、2兆円を大きく上回るような価格で買い取ってもらえばいい。そうすれば、東芝本体の資金にも余裕が生まれます」(真保紀一郎氏)

 東芝メモリの売却が“じっくり”でいいのなら、IPO(新規株式上場)も選択肢の一つだ。

 決められない東芝の迷走は当分続く。

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