製糖大手大再編の幕開け 三井系と三菱系が4月に経営統合へ【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

製糖大手大再編の幕開け 三井系と三菱系が4月に経営統合へ【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

スプーン印でおなじみの三井製糖(C)日刊ゲンダイ

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 製糖業界で系列を超えた再編が幕を開けた。業界首位で三井物産系の三井製糖と三菱商事全額出資で4位の大日本明治製糖が来年4月1日の経営統合で最終合意。統合後、明治ホールディングス(HD)が筆頭株主で2位・日本甜菜製糖との間で資本業務提携も協議する。砂糖の国内消費が減り続ける中、大手が手を組んで事業基盤の強化につなげる。

 経営統合に当たっては三井製糖が持ち株会社(商号・DM三井製糖HD)に移行したうえで株式交換、傘下に新設する事業子会社と大日本明治をぶら下げる形を採る。三菱商事は持ち株会社に20%出資する2位株主となる見込みだ。

 三井製糖は20年3月期の売上高1138億円、大日本明治は338億円。統合が実現すれば売上高は単純合算で1500億円に迫り、国内シェアは約4割に上昇、2位以下を大きく突き放す。

 一方、日本甜菜製糖との資本業務提携の内容は今後詰めるが、発行株の10%前後を持ち合う方向で検討を進めるとみられる。日本甜菜に対する統合会社の持ち株比率は現在10%弱を握る明治HDを上回る可能性もあり、「系列色の塗り替えも視野に入る」(事情通)。

■消費量は40年にわたり減少中

 砂糖の国内消費量は約40年にわたって減り続けている。1970年代までは年290万トン前後で推移していたが、2014年度には200万トンの大台割れ。農林水産省の予測では20年度も188万トンにとどまる。

 清涼飲料用を中心に果糖ブドウ糖を主成分とする異性化糖への代替が急速に進んだためだ。これに人口減や昨今の健康ブームの高まりなどが輪をかけた。国民1人当たりの消費量は年16・5キロ。欧州35・1キロ、米国31・1キロを大きく下回って先進国最低の水準だ。

 このため横浜精糖と芝浦精糖、大阪製糖の3社合併による三井製糖の誕生をきっかけに再編が活発化。業界はかつての「群雄割拠状態」(関係者)から三井物産系、三菱商事系、丸紅系、伊藤忠商事系の4グループにほぼ集約されてきた。

 そんな中で実現した今回の三井―三菱大同団結。市場ではこれが呼び水となり、「さらなる再編に突き進む」との観測も高まる。

(重道武司/経済ジャーナリスト)

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